2006年11月6日月曜日

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ナイト・オン・ザ・プラネット

 


「ロサンゼルスはニューヨークに次ぐ、犯罪発生件数全米第 2 位の街である」
「従って、夜間に流しのタクシーをつかまえることは安全性の面でとてもお勧めできない」

などと、物の本には書いてあります。きっと記載の内容は正しいのでしょう。

さて、ロサンゼルスに着いて初日(成田を発ってから 30 時間ほど経ちますが、まだ初日です。:-))にして、夜のウエスト・ハリウッドにて流しのタクシーをつかまえる光栄に浴することができました。

やりとりは殆ど同乗の上役がやってくれたので安心だったのですが、「ホテル・ニューオータニに」と英語で伝えたところ、「にゅーおた?」などと怪訝な顔をしたため、私が後ろから「リトル・トーキョーね」(「リル・トキヨ」に非ず。:-))とフォローしたところ、「何となくわかった」との様子に。ただ、やはり一抹の不安があったのか、いきなり携帯電話を取り出し、謎の言葉でおそらくは仲間と話し合いを始めてしまいました。

携帯で電話をかけたのは効果てきめんだったようで(ちなみに、「てきめん」は「覿面」という字らしいですね。知らなかった)、タクシーはすぐに走り出してくれました。運転手は快活に「日本から来たのか?」と話しかけ、カーステレオの選曲を日本の曲に変えるなど、いろいろとサービスをしてくれたのですが、逆に「あなたはどこから来たの?」と聞いたところ、「ロシア」との答が。また、「もう 7 年になる」とも。改めて「冷戦は終わったのだなぁ」とも、「ソ連という国は過去帳入りしたのだな」とも感じてしまいました。

  *

それにしても、海外での「ちょっと危ないタクシーの旅」ほど魅力的なものは無いなぁ、と、改めて思った次第です。「流しのタクシードライバー」ということは、下手をすればホテルや駅での客待ちすら許されない立場の人もいるわけで、「タクシードライバー」の中でも、悪い言い方をすれば底辺部に属する人たちが多いように思うのです。こういったタクシードライバーの人となりを見るだけで、その国がどんな社会を実現しているのかが、なぁんとなく理解できるような気がするのですね。

私の好きな映画に、「ナイト・オン・ザ・プラネット」(邦題)があります。「好きな映画」という割にはそれほどディテールは憶えていないのですが(笑)、要は世界各地でのタクシーの中で繰り広げられる、ドライバーと流しの客とのやりとりが淡々と語られる、といった内容です。確か、舞台はアメリカ(ロスかハリウッド?)、フランス(パリ)、イタリア(ローマ)、フィンランド(ヘルシンキ)だったかなぁ。挿入歌はトム・ウェイツだったような記憶もあります(←かなり怪しい)。

決して、感動したり泣けたり笑ったりするような作品ではないと思いますが、鑑賞後に妙な余韻を残す作品とでも言えるでしょうか。結構オススメです。

  *

ちなみに、ロシアからやってきたタクシードライバーは、フリーウェイをすいすいと駆け抜け、無事目的のニューオータニまで私たちを届けてくれました。私は降り際に「До свидания! 」(さようなら)と伝えたつもりですが、今から思うとかなり発音を間違えていたようで、果たして彼にはどう聞こえたのか……。気持ちだけでも伝わっていることを願うばかりです。

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