2007年3月9日金曜日

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ボーイング 747 の設計者は、「現実」に敗北した

 


腰が痛いです。どうしましょうか

いやー、一泊二日で九州に行ってきたのですが、意外に疲れちゃいました。どうにも腰が痛くてですね……。先日の日曜日に、マットレスの上に敷く、ウレタン製のマットのようなものを購入して、その上で寝ているのですが、もしかするとそのせいで、腰が伸ばせていないのかもしれません。うーん、そこそこ高かったんだけどなぁ……。

さて、それでは謎の大型連載の続きでも行きましょうか。

毛利元就の「三本の矢」も、巨大な力がかかればイチコロなわけでして

前回は、4 通りの油圧系統を持っていた筈のボーイング 747 で、油圧が全系統フェイルするという「予想外の事態」が発生したことを書きました。それでは、何故、そのような「予想外の事態」が起こってしまったのでしょうか。

この事故のそもそものきっかけは、機体後部の圧力隔壁が破壊され、破壊によって生じた開口部から、客室内の空気が噴出し、垂直尾翼の大半を破壊したことですが(これは前回にも書きましたね)、とても運の悪いことに、4 系統がそれぞれ独立して存在していた筈の油圧系統が、垂直尾翼の近くに密接して配置されていたため、垂直尾翼の破壊と同時に油圧 4 系統がいっぺんに破壊されるという異常事態となってしまったことが、機体を操縦不能に追いやった最大の原因とされます。

設計者は「現実」に敗北した

そもそも、何のために油圧を 4 系統に分けていたのか、ということを考えておかないといけません。4 系統という、経路の冗長化においては過剰投資とすら思える設計になっていたのは、「いかなる状況においても最低 1 系統は油圧が保たれるべき」という、設計者の強い意思の現れだったはずです。

ところが、実際には 4 系統が集中している部位があり、そこがピンポイントで破壊されたことで油圧が全系統フェイルしたわけですから、「設計者の意思」通りの動きとはならなかった。つまり、設計者は事故という現実に敗北した、と言えます。誤解を恐れずに言えば、設計の時点で敗北していた、とも言えるのです。

ここは、非常にクリティカルな問題なのですが、さすがの私も「設計ミス」という表現は使えませんでした。確かに、限りなく「設計ミス」に近いと言えば近いと思います。ただ、「現実」は、人智をも超えた存在であることも否定できません。

その時、クルーは何をしたか

さて、8 月 12 日の 18 時 24 分頃、何が起こったかを改めておさらいしましょう。機体後部で「ドーン」という破壊音が発生し、ほどなく油圧が全系統フェイルします。このタイミングでクルーが取った行動が、後にさまざまな憶測を呼ぶことになります。

具体的には、「右旋回」「スコーク 77 の送信」「急降下の非実施」「酸素マスクの非着用」といったあたりです。それぞれの詳細を、簡単に記していきましょう。

なぜ「右旋回」だったのか

まず「右旋回」ですが、航空関係者の中には、クルーが取ったこの行動に疑問を抱くケースが少なからずあったと言われます。クルーは即座に「スコーク 77」を送信したわけで、「緊急事態」である旨を十分認識していたはず。であれば、何故に不時着時の危険が少ない海上に向かう、つまり「左旋回」を選ばずに、不時着時の危険が比較的高い陸地に向かおうとしたのか、という指摘です。

事故調が出した「後部隔壁破壊説(単独事故説)」は、この疑問に対する答を用意していません(確か)。ただ、だからといって事故調の結論にウソがある、などと言ったことを言うつもりはありませんので念のため。

ちなみに、厳密な話をしておきますと、クルーは「右旋回」を選択し、実際に機体は右に旋回しました。ただ、機体はすでに操縦不能となっていたわけで、右に旋回したのは「偶然」だったことを無視してはいけません。

あまりに早すぎる「スコーク 77」

次に「スコーク 77 の送信」ですが、「スコーク 77」は、船舶における「SOS」信号のようなもので、「異常事態」「緊急事態」を意味します。当然ながら、むやみやたらと使用するものではありません。

ただ、「あまりにそのタイミングが早すぎる」との指摘があります。言外に「クルーは、何かしらの異常の予兆を感じていたのではないか」との疑念を盛り込む指摘です。「異常の予兆を感じていた」との憶測を補強する材料としては、ボイスレコーダーに記録されていたクルーの会話を周波数レベルで分析したところ、異常発生前から、やや(かなり?)の緊張が見受けられた、という話もあります。

とても中途半端に続きます

さてと……。とっても中途半端で申し訳ないのですが、紙面もそろそろ埋まりつつありますし、また、眠くなってきたので、今日はこの辺で……。続きは、また後ほど。

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