2007年6月12日火曜日

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Bojan、キューバとカストロを語る

 


人生と革命を語れる人も少なくなりました

4 月頃に、NHK の「BS 世界のドキュメンタリー」で、「カストロ 人生と革命を語る」と題したシリーズが放送されていたのですが、このたび、ようやく見終えることができました(はははっ

「カストロ」とは、言うまでもなくキューバ共和国初代国家評議会議長フィデル・カストロのことで、1959 年のキューバ革命以来 40 年以上、キューバの最高権力者として君臨していることは周知の事実です。最近は「重体説」も囁かれたりして、また、にわかに注目を集めつつあります。

いまではサトウキビと世界遺産の国ですが

キューバと言えば、カリブ海に浮かぶ小国ですが、カストロの絶対的な指導力のもと、社会主義国家の建設が進められ、アメリカとの関係が悪化していく中でソヴィエトと接近し、ついにはソ連製の核ミサイルを配備するまでに至ります。この、いわゆる「キューバ危機」は 2 週間で政治的解決に至りますが、カストロの社会主義体制は、その後も現在まで綿々と息づいていることは言うまでもありません。

実際、かつてのキューバの経済を支えていたのはソ連だったため、1991 年のソ連の崩壊後、キューバ経済は危機に瀕したと言われます。「ベルリンの壁」崩壊によって東ドイツが消滅し、その前後に東欧諸国がドミノ倒しのように民主化した際も、地理的に孤立していたことが幸いしたのか、カストロの社会主義体制は揺らぐことなく今日に至っています。

この点についてのカストロの見解がなかなかのもので、「キューバ革命は全くオリジナルなもので、ソヴィエト革命のクローンではない」との自説を開陳していました。ソヴィエトと結んだのは、ある意味「全くの偶然に過ぎない」という考え方です。

カストロさんの挑戦

カストロは、「ソ連」という後ろ盾を失った後、「社会主義」という基本姿勢を維持しつつ、部分的に開放政策を進めるなど、「共産主義の発電所」亡き後の「新・社会主義」とでも言うべき姿を模索しています(決して「成功している」とは言えないですが)。

カストロ自身、40 年以上もの間、キューバという国家の最高権力者であり、お隣さんの「世界一の大国」を相手に渡り合ってきたという自負があるからか、その発言には多分に誇大妄想的なものも散見されるわけですが、自らの「社会主義革命」の正当性と、その成功への信念は、揺るぎないものを感じます。

また、フィデル・カストロという人間が、類い希な実行力と明晰な頭脳を兼ね備えた人間だということが、70 歳代後半(番組が制作されたのは 2003 年)という老境にあっても十二分に見て取れるところには、深い畏敬の念を感じずにはおれません。いや、決して社会主義を賛美するわけじゃ無いですけどね。

Bojan、キューバとカストロを語る

そうそう。頭脳明晰にして実行力抜群のカストロは、やはり「政治家」よりも「革命家」という肩書きがしっくりくると思うのです。より正確な表現だと「アジテーター」ですね。民衆を扇動し、陶酔させる魅力(カリスマ)に満ちた人材だと思うのですね。少なくとも、日本の近所の某総書記と比べると、その資質は天と地以上の差はあるでしょう(むしろに失礼)。

ある意味、キューバという国は、このカストロの「カリスマ」によって成り立っている、とも言えるのでしょう。惜しむらくは、カストロに残された人生がそれほど長くは無いと思われることで、フィデル・カストロ自身も番組中で、後継者として「(弟の)ラウールだろう」と明言したものの、「但しラウールも決して若くは無い」と付け加えざるを得なかったことに、問題の根の深さを自覚している風が見て取れました。

実際「子や孫の世代が育っている」とは口にしたものの、具体的な人物の名は口にすることはありませんでした。

キューバは、現在、表向きは「時間が止まった国」として、平穏であるように見えます。ただ、フィデル・カストロという「稀代のカリスマ」を失ったとしたら、どんな方向に向かうのか、予断を許さない状況であるように思えます。

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