2008年3月17日月曜日

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「ハワイで親父に教わった」可能性

 


少年 A、赤の広場に降り立つ

さて、「ベレンコ中尉事件」の対極として語られるのが、「ペトロフ事件」ではなく「ルスト青年の事件」ですが……、これって、1987 年に起きていたんですね。思った以上に最近だったので、びっくりしちゃいました。

1987 年と言えば、阪神タイガースが初の(今のところ唯一の?)日本一に輝いたよりも新しく、蜂谷真由美こと金賢姫が大韓航空機を爆破した年なわけで……。覚えていても不思議はないのですが、覚えていなかったということは……、それほど報道もされず、話題にも上らなかった、ということなんでしょうね。

あとは、「事件」を起こした際のルスト青年の年齢もネックだったのかも……。マティアス・ルストは 1968 年生まれと言いますから、事件を起こした時は 19 歳。日本では「未成年」に当たりますから、「少年 A」扱いですね。

「ハワイで親父に教わった」可能性

Wikipedia の「マチアス・ルスト」の項から引用しますと、

事件は 1987 年 5 月 28 日に起きた。当時 19 歳のルストはハンブルクでセスナ機をレンタルして離陸、経由地フィンランドのヘルシンキ・マルミ空港でセスナ機の燃料を給油し、ストックホルムへ向かうことを管制官に告げ離陸した。しかし彼は機首を東に向け、まもなくフィンランドの管制空域から機影が消えた。彼はバルト海沿岸に沿って飛んだのち、モスクワへと向かった。

いろいろと疑問が出てきます。まず、ルストは 19 歳なのにセスナの操縦ができたのか? という「もっともな疑問」があるのですが、これは、操縦の仕方は「ハワイで親父に教わった」と仮定すれば解決できます。次なる疑問は「セスナをやすやすとレンタルできるのか」ですが、案外「レンタルのニッケン」あたりでもレンタルしていたのかも知れません。

続けましょうか。

この日は偶然ソビエト連邦の国境警備隊の休日であり、警備が緩んでいた隙をついて機体はモスクワまで妨害を受けずに飛行した。5 時間にわたるソ連上空飛行ののち、ルストは機体をソ連の中枢であるクレムリンに隣接する赤の広場に着陸させた(正確には人だかりを避けて 100m ほど離れた橋に着陸し、機体を赤の広場の観光バス用駐車場まで移動させた)。彼は直ちに逮捕された。

意外と国境警備隊の好待遇が目につきます(ぇ)。ベレンコ中尉の(元?)奥さんがブチ切れたのが原因かもしれません。また、ルスト青年の的確な状況判断、ならびに土地勘についても注目すべきでしょう。CIA のエージェント説も検討に値しますが、事前に「地球の歩き方」を買って研究していた可能性も捨てきれません。

ソ連国境警備隊はセスナ機の侵入を把握していたが、適切な決定が下されなかった。当時ソ連の改革を進めていたミハイル・ゴルバチョフ書記長はこの事件を好機ととらえ、グラスノスチやペレストロイカに反対していた国防相および防空軍総司令官を解任した。

「適切な決定が下されなかった」というのは、まるで極東の某島国を思い起こさせますね。仮想敵国(ソ連にとっては NATO 諸国もそうでしょうから)から珍客が舞い込むのは、意外と政治的にラッキーなことなのかも知れません。

その後の名探偵、じゃなくてルスト青年

裁判は 9 月 2 日にモスクワで始められた。ルストは飛行の目的を "東西の対立を解消し平和をもたらす為" であると述べた。彼は暴力行為、航空法違反、不法入国の罪で 4 年間の懲役を命じられた。432 日間の懲役生活のあとアンドレイ・グロムイコ外相(最高国家評議会議長)の恩赦を受けて彼は国外退去処分となり、1988 年 8 月 3 日に西ドイツに戻った。

グロムイコがソ連の外相を務めたのは 1985 年までで、その後はエドゥアルド・シェワルナゼが外相を務めていた筈なので、Wikipedia のこの記述は厳密には誤りですね。といったことは置いといて、ルスト青年は一年とちょい後に、無事西ドイツに戻ったのでした(へぇー)。

ルスト青年のその後についても、なかなかナイスな記述があります。

帰国後彼は良心的兵役忌避のためハンブルクの病院で奉仕活動に従事したが、その最中の 1989 年に交際を断わられた看護婦をナイフで刺し、2 年半の懲役刑となった。釈放後はソビエト崩壊後のロシアへ渡るなどしていたが、その後の人生もトラブルが続き、2001 年にも万引きで罰金刑を受けている。現在は結婚してベルリンに居住し、ポーカーの賞金で生計を立てている模様。

ポーカーで生計を立てられるもんなんですね(笑)。

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