2008年4月28日月曜日

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メルカトルさんの本名はデ・クレーメルさんです

 


トイレで考えたこと

技術立国日本」を実感するひととき、と言えば……。そう、それはやっぱりトイレの中(笑)。温水洗浄便座は、日本が世界に誇る超グレートなテクノロジーだと思いますです、ハイ。

さて、温水洗浄便座の有無に拘わらず、トイレという場所は、それなりの明るさが確保されているならば、いろいろなことを考え耽るのに良い場所です。以前にも書きましたが、うちのトイレには世界地図が貼ってありまして、雑念に乱されることなく世界各国に思いを馳せることができるようになっています。当 Blog が International になる所以です(違うだろ)。

メルカトルさんの本名はデ・クレーメルさんです

地球はご存じの通り球体ですが、球体上の姿かたちを平面に落とすことは、現実には不可能です。そのため、さまざまな図法が考案されていて、TPO(死語?)に応じて使い分けられているのが現状です。

図法のなかで、最もメジャーなのは「メルカトル図法」、次いで「モルワイデ図法」かな、と個人的に思っています。ちなみに、日本の国土地理院の「地形図」は、「ユニバーサル横メルカトル図法」で作図されています。地形図レベルであれば、比較的歪みの少ない図法なので、適切な選択と言えるでしょう。

グリーンランドの国旗は白と赤だけ

さらにどうでもいい話を続けますと、国土地理院の地形図……例えば 1/50,000 のものを何枚も貼り合わせたら、一枚のでっかーい地図ができる、ような気がします。ところが、実際に試してみるとわかるのですが、微妙なズレが生じて、うまくいきません。このズレは、球面を平面に落としたことによって生じたズレ、すなわち図法上のズレで、比較的歪みが少ない「ユニバーサル横メルカトル図法」であっても、認識できてしまうレベルです。

メルカトル図法は円筒図法の一種で、海岸線の形をほぼ歪み無く表すことができます。ただ、縮尺が一定ではないという致命的な欠点もあります。この欠点も、球面を平面に落とす際に生じる矛盾のひとつで、避けようが無いものなのですが、具体的には、グリーンランド(世界最大の島)より、オーストラリア大陸(世界最小の大陸)が小さく見えてしまうことです。

グリーンランドの面積は 2,166,086km²、オーストラリア大陸の面積は 7,686,850km² ですから、実際にはオーストラリア大陸のほうが倍以上広いわけです。

そのため、面積の大小を正確に表すための図法として、後にモルワイデ図法が考案されています。メルカトル図法の地図が長方形となるのに対し、モルワイデ図法の地図は楕円形となるため、地図の辺縁部に近いほど、形が歪んでしまいます。

日本軍はなぜ南を目指したか

さて。うちのトイレの世界地図は、メルカトル図法で描かれています。メルカトル図法は、緯度が高ければ高いほど大きく描かれる特徴(あるいは欠点)があります。ふと思ったのですが、昔の日本軍関係者は、メルカトル図法の地図ばかり見ていたのでは無いかな、と。

満州事変を起こした日本軍は、その後の矛先として、二通りの可能性を残していました。一つは仏領インドシナ(現在のベトナム・ラオス・カンボジア)方面を攻略する考え方、もう一つは対ソ戦(シベリア方面の攻略)です。現実には、皆さんもご存じの通り、対ソ戦については、ノモンハン付近で紛争は起こったものの、全面戦争には至らなかった一方、南方攻略は、仏領インドシナ進駐に留まらず、タイ進駐、シンガポール攻略、ビルマ攻略、挙句の果てにはインドのインパールを攻略しよう、といった無謀な作戦に突っ走ります。

トイレの地図を見て思ったのですが、メルカトル図法の地図であれば、ソ連(ロシア)や日本と比べて、赤道に近い諸国がなんと小さく見えることか……。日本地図の縮尺で東南アジア諸国の地図を見てしまうと、もの凄くちっぽけに見えてしまうわけです。いきおい、簡単に攻略できてしまう気にもなったでしょう。

「そんなアホな」と思われるかも知れませんが、この勘違い、意外と現実味があるんじゃないかな、なんて思います。

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