2008年7月9日水曜日

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「伏流水」の研究に見る地理学のあいまいさ

 


涵養しろ、涵養しろ、涵養しろ……

突然「涵養」(かんよう)という言葉が頭に浮かんだのですが、どういう意味だったかさっぱり思い出せません(笑)。ホント、大丈夫なのかな、私の頭脳って……。

とっとと辞書を引きましょう。今日はいつもの新明解さんにご意見を伺います。

かんよう【涵養】─する 水がしみこむように、自然に養成すること。「道徳心を─する」
(新明解国語辞典《第六版》「涵養」より引用)

ん、これって「引用」というよりは、「涵養」の項をそのまま「転載」しちゃってるような気も……。これってどうなんでしょ? JASRAC に聞いたら「カネ払え」って言われそうですが、JASRAC はそもそも関係無いしぃ(ぉ

イカロスは太陽を目指し、アリは地下を目指す

昨日は、バングラデシュにおける井戸水の砒素汚染について、珍しくマジメに語ってみたのでした(正直、結構びびったもんで)。そもそも、地表の水と比べて衛生面で優れる、という理由で地下水に移行したのに、「菌は無いけど毒まみれ」というお話にならない状況に追いやられてしまっているバングラの人々には、ただただお気の毒としか申し上げられません……。

ま、そんなわけで、バングラデシュの大部分では「砒素ウォーター」の源になってしまっている地下水ですが、本来はとっても便利なものです。何がいいかと言いますと、まず地中深くに涵養されている(使い方合ってるかな?)地下水は、ひんやりしていて冷たいということがあるのですが、それ以上に「キレイだ」というのが最大のメリットだと思います。

下町のキレイな水

地下水がなぜキレイかと言うと、地中を涵養されていく(しつこい)プロセスで、延々と濾過されているから、ですね。地層の中でも、粘土層は水を通さないケースが殆どだと思いますが、砂礫層とか、火山岩層とか、関東ローム層とか無党派層とか、いずれも水をも漏らす粗忽者揃い(なのか?)なので、水分は地層の中に深くしみいるのに対し、不純物は表層で取り除かれることとなり、浄水器のフィルタのような役割を担ってくれることになります。

キレイな水は、飲用水や生活用水よりも、むしろ工業用水として多用される傾向があり、東京や大阪などの工場集積地帯では、1960 年代からのいわゆる「高度成長期」に大量の地下水を汲み上げてしまったため、需給のバランスが崩れ、大規模な地盤沈下を招いてしまったこともありました。さすがに行政も、地下水の汲み上げを制限する措置に出ましたが、一度沈下してしまった地盤を持ち上げることはできず(羽田空港みたいにジャッキがあれば別だけど)、標高が海抜ゼロメートルを下回る地域が残ったままです(いわゆる「ゼロメートル地帯」)。

「伏流水」の研究に見る地理学のあいまいさ

海沿いの平野部では、地下水は、文字通り「地下に存在する水」であり、井戸を掘削して汲み上げる以外に方法は無いのですが、山あいの場所では、山地から平野部への水の流れが砂礫層の中を通る「伏流水」という形でも目にすることができます(いや、伏流水そのものは「伏して流れてる」わけですから、見えるわけないですけど(汗))。

伏流水の便利なところは、地形の関係で、また地表に戻らざるを得なくなるケースが多いことです。伏流水が地表に戻る現象のことを、平たく言えば「わき水」と言いますね。伏流水は扇状地で多く見られ、多くの場合、扇端部は湧水に恵まれます。

……なにマジメに語ってるんだか。単に「扇状地」の研究だと、単なる自然地理学になりますが、「伏流水」や「集落の形成」なんかと絡めると、社会地理学の領域も絡んでくるので、なかなか楽しいですよ。

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