2008年7月15日火曜日

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韓国のイッセー尾形

 


操縦室とっさのひとこと

さて、「よど号」ハイジャック事件についての続きです。

犯人グループは操縦席に押し入り、航空機関士を拘束、機長と副操縦士に北朝鮮の平壌に向かうように指示します。

副操縦士は後に、NHK の取材に対し、「何が起こったのか良く理解できなかった」「悪い冗談かと思った」と語っていますが、率直な感想で好感が持てますね。

いきなり「平壌行き」を迫られたパイロット側も然る者で、国内線での運航を想定した燃料しか積んでいないため「平壌に行くには燃料が不足している」と回答。実際には予備の燃料を搭載している筈で、平壌まで飛べなくはなかった、「燃料不足」は平壌行きを回避するためのパイロットのとっさの判断だった、とも言われます。

実際には羽田-板付(福岡)までの燃料に、プラス 2 時間分くらいしか積んでいなかったでしょうから(全くの推測ですが)、極端な話、平壌上空で 2 時間待たされるような事があればお終いだったわけで、「燃料が足りない」という回答は、ある意味ではまったく本当のことを率直に述べただけ、のような気もします。

見逃してけろ……

機長の真意がどうだったにせよ、「よど号」は、物々しい警備体制の中、福岡の板付空港に着陸します。交渉の結果、一部の乗客が解放されますが、引き延ばし工作は事実上失敗し、着陸から 5 時間後の 13 時 59 分に、同機は「平壌」に向けて離陸してしまいます。

当時の韓国は、李承晩体制を引きずった強権的な対応を取る国家で、「領海を侵犯した」と言っては無辜の漁船を拿捕するようなところがありました(今も本質は変わらないという説もありますが)。そのため、日本政府?は「これからハイジャックされた民間機がおたくの領空を通過するけど見逃して欲しい」との依頼を韓国政府に対して行った、とされます。

その甲斐もあったのか、韓国の防空識別圏に入ったあたりから、韓国空軍機の「出迎え」を受けたと言われます。空軍機は、「よど号」が北緯 38 度を超えたあたりで護衛の任務を解かれ、「よど号」から離れて行きました。

韓国のイッセー尾形

「護衛」がいなくなったことで北朝鮮の領空に入ったと認識した「よど号」は、民間航空緊急用周波数の 121.5 MHz で平壌の管制官との通信を試みるも、応答があったのはソウルの管制官から。よど号から「平壌と通信したい」とのリクエストを投げたところ、「では周波数を 134.1 MHz に変更して下さい」との応答が。指示通り 134.1 MHz に変更すると、さっきと同じ声でこちら平壌」との返答がありました。

ソウルの管制から聞こえる声と、平壌の管制から聞こえる声が「同じに聞こえた」ことに、やはり、副操縦士は疑問を感じたそうです。明言こそしなかったものの、このタイミングで「策略」の全貌を見抜いた、と推測されます。134.1 MHz は、金浦空港の管制官とコンタクトするための周波数だったわけですね。

「よど号」は、「平壌コントロール」を名乗る韓国の管制官によって、巧みに航路を誘導され、最終的にはソウル近郊の金浦空港に着陸します。そこには北朝鮮の軍服を着た韓国兵や、「ようこそ平壌へ」と書かれた歓迎のプラカードを掲げる女性兵士が出迎えたとされます。ハイジャック犯に「ここは平壌だ」と錯覚させるための、涙ぐましい努力が為されたわけです。

ロイヤル・ダッチ・シェル

ただ、その努力も、結局報われずに終わります。犯人グループが、今自分たちがいるのは平壌ではない、と気づいてしまったわけなのですが、決め手が何だったかは、諸説乱立しているようです。NHK の番組では、「シェル石油のマーク」が決め手になった、とされていますが、他にも「ノースウエスト航空の旅客機」説など、いくつかあるようです。

個人的には「シェル」説に一票入れたいところですね。あれはわかりやすいですから。

「よど号」の韓国誘導で主導的な役割を果たしたとされる韓国中央情報部(略称:KCIA)の幹部も、もしかしたら「認めたくないものだニダ……(ry」と語っているかもしれません。

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