2009年7月27日月曜日

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フォーミュラ カーの安全のために ~マッサのクラッシュから考える~

 


本日の記事は少々グロテスクな内容に感じられるかも知れませんので、苦手な方はご覧にならないことをお勧めします。m(_ _)m

あと、びみょうにハンガリー GP のネタバレもあります。ご注意を。

マッサのクラッシュの怪

F1 ハンガリー GP の予選でフェリペ・マッサがクラッシュし、最終予選以降を欠場した、というニュースをご存じの方もいらっしゃるかと思います。マッサは医務室で手当を受けた後、最終的にはヘリで病院に運ばれました。頭部を負傷したとのことで、しばらく復帰までに時間がかかるのかも知れません。

フジテレビ NEXT の予選中継で、マッサのオンボード映像が流れていたので、それを見ていたのですが、S 字状のコーナーの手前から、まっすぐタイヤバリアに向かっていきました(結果としてはコースを横切ったことになります)。しかも、クラッシュしたあともエンジンがフルスロットルだったような……。とても異様なクラッシュだったことは確かです。

マッサ失神説

解説のお三方(森脇基恭・今宮純・川井一仁)が全員首を傾げる中、ふと嫌な予感が頭をよぎりました。「これ、クラッシュする前からマッサは気を失っているのではなかろうか」と。そう思って見てみると、心なしかヘルメットが左右に揺れていたようにも見えます。

真相はおそらくその通りで、ブラウンのルーベンス・バリチェロのマシンから落っこちたリアダンパーを、マッサがフロントタイヤで踏んでしまい、巻き上げられたリアダンパーがマッサのヘルメットを直撃した……ということのようです(後で映像も流れました)。マッサは脳震盪を起こしたか気絶したかで、おそらくはアクセルオンのまま、まっすぐタイヤバリアに突っ込んだ、ということでしょう。

幻のバードストライク説

ただ、事故の直後はそういった情報がわからないので、様々な憶測が流れていたようです。川井さんはどこで耳に入れたのか、バードストライク説(鳥とぶつかった)の可能性を口にしていました。生憎、そこにはハドソン川は無く、タイヤバリアしか無かったわけですが。

Henry Surtees' Tragedy

ちょうど一週間前ですが、ブランズハッチで行われた FIA F2 シリーズ(というものが今年から始まっていたそうです)で、ヘンリー・サーティースという 18 歳のドライバーが、頭部に別マシンから脱落したタイヤがぶつかり亡くなっています。「サーティース」という名前で「ん?」と思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、そう、かのジョン・サーティースの息子さんです(随分と年は離れていますが……)。

Markus Höttinger's Tragedy

また、似たような例として、1980 年にドイツのホッケンハイムで行われた F2 のレースで、マルクス・ヘッティンガーというオーストリア人ドライバーが、デレック・ウォリック(日本では「ワーウィック」という変な発音になってますが……)のマシンから脱落したタイヤの直撃を受けて即死したというケースがあったそうです。

Fernando Alonso's Tragedy

まぁ、ヘッティンガーの事故からヘンリー・サーティースの事故までは 29 年もあったので、それほど滅多に起こることでは無い……と言えるのかもしれませんが、ヘンリー・サーティースの事故からマッサの事故までは僅か 1 週間です。幸い、今のところマッサの容態は安定しているとのことですから、「運が悪かった」という一言で済むのかも知れませんが、あろうことか、今日のレースではフェルナンド・アロンソが右フロントタイヤを走行中に吹っ飛ばしています。アロンソのタイヤは誰も傷つけることはありませんでしたが、それはあくまで結果論でしかありません。

Alan Stacey's Tragedy

フジテレビでスタジオ解説していた森脇基恭さんは、マッサのアクシデントについて「30 年以上レースをやってますが、こんなのは見たことないです」とおっしゃっていましたが、例えば、1960 年には、実際にバードストライクで亡くなったアラン・ステイシーというレーサーもいました。

Tom Pryce's Tragedy

また、1977 年にはトム・プライスが消火器を持ってコースを横断しようとしたマーシャルを跳ねてしまい、跳ねられたマーシャルが即死したのですが、プライスが跳ねたマーシャルが持っていた消火器がプライスのヘルメットを直撃、プライスも即死してしまったと言います。

ドライバーの安全のために

「で、何が言いたいんだ?」という話になりますが、えーとですね。安全対策を考える上では、フォーミュラ カーでも、戦闘機みたいなキャノピーを義務づけるべきなんじゃないでしょうか。さすがに「屋根をつけろ」とは口が裂けても言えません。そんなのフォーミュラじゃないですからね。

それから、フォーミュラ カーの潜在的な危険性として、タイヤがむき出しであることが良く言われますが、タイヤをむき出しにしなくなってしまったら、シリーズ末期のグラチャンの車みたいになってしまうので……(わかる人は少ないかも)。それはさすがにフォーミュラ カーのアイデンティティを否定することになるので避けたいですが、キャノピーをつけるくらいはできるんじゃないかなー、と……。どうですかお客さん!!

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