2009年7月31日金曜日

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自民党「退廃」の歴史的意義

 


惨敗を期して挑む(コペルニクス的転回?)

来月に衆議院選挙が予定されていますが、前評判では民主党が優勢なんじゃないか、といった感じですね。別の言い方をすると、自民党は惨敗するんじゃないか、となります。最近では、ハナから「惨敗を期して」選挙に挑むというコペルニクス的転回(なのか?)も見られましたが、それはさておき。

では、なぜ自民党は惨敗が見込まれるのか。私個人としては、1 年で政権をほっぽり出す総理大臣が 2 代も続いた、というところが致命的にマイナスなんですが、世評はどうかと言うと、おそらく「麻生サンじゃダメだから」「かといって麻生サンの代わりが務まる人物が自民党にはいないから」という論調もさることながら、「一向に暮らし向きが良くならないから」といったような、庶民の漠然とした不満が根底にあるような気がします。

民主党優位は、自民党惨敗の裏面に過ぎない

見方を変えて、じゃあなんで民主党が優勢だと思われるのか、としましょうか。これは、おそらく「政権交代」を待望しているからだ、ということでしょう。民主党が良いのではなく、自民党から政権を奪ってくれそうだから、というだけの理由で投票する人も多いんだと思います。つまり、庶民は今の自民党(自公連立政権)に辟易しているのだ、と。

だから、「政権交代」が実現するのであれば、その受け皿が民主党である必然性は全く無い、と私は見ています。もっとも、残念なことに、現実的には民主党以外に自民党から政権を奪取できるポテンシャルを持つ政党は無いわけで、「政権交代」→「民主党」という流れになってしまう……のでしょうが。

民主党政権の行方

なので、仮に「民主党政権」が誕生したとして、それがどれだけの支持率を集められるか、という所は微妙でしょう。最初は 50%~60% くらいはイケると思いますが、つまらないところでボロが出て、いずれジリ貧になることが予想できます。次の次の総選挙で自民党が復権する、というシナリオも十分考えられるでしょう。

では、今回の選挙で「民主党政権」を誕生させることは無意味なのか、というと、それもまた NO でしょう。少なくとも、名ばかりかも知れないけれども「二大政党制」という仕組み?が、戦後の歴史の中で初めて誕生するわけですから。今までのように、自民党がどれだけ庶民の顰蹙を買う政治をしたとしても政権与党であり続ける、という枠組みからは脱却できるかも知れないわけですし。

もっとも、「庶民の顰蹙を買う政治」の必要性は、今も少なからず存在していると考えています。詳しくは後述。

「歴史的大敗」は「歴史的退廃」になるのか

自民党の退潮?は、国家の成熟度合に起因する歴史的必然……であればこれほど嬉しいことはないのですが、実際の所はどうなんでしょうか。

3 ヶ月ほど前に「現代社会における「単一性」と「多様性」のせめぎ合い」という、当 Blog にしては比較的マトモな記事を書いたのですが、戦後の復興から高度成長期にかけて、国民みんなが汗水垂らしてノリノリで働いていた時代にあっては、「自民党」という絶対安定与党の存在意義は大きかったと思います。

つまり、東西冷戦という、世界を二分するイデオロギーの相剋があった時代にあって、決して大多数が賢明であったとは言えない国民を「正しい道」に導く、という「仕事」を成し遂げるためには、自民党政権の安定は不可避だったのだと思います。「ソ連」という仮想敵国の存在が、自民党政権に長期的な安定をもたらした……というのは、因果関係を少々すっ飛ばしてはいるものの、あながち間違っていないのではないかと。

「ソ連」の崩壊と「日本」の崩壊

「ソ連」が崩壊したから、もう日本国民が一致団結する必要は無い、という理屈も明らかにおかしいのですが、誰の陰謀か、結果的に「密結合」な日本は姿を消し、「疎結合」な国になってきました。「人間は誰もが欲深く、自由を訴求する生き物だ」という考え方が真理なのだとすれば、致し方がないことなんでしょうか。ソ連崩壊後のロシアの混乱ぶりや、はたまた鄧小平以来の中国の乱脈ぶり(「発展ぶり」でもあるのですが、その発展に常軌を逸したところもあると思いますので)を見ても、決して根拠のない勘違いとは言えないような気もします。

残念なことに、民主主義の「主役」である筈の一般大衆の多くは、「愚か」では無いにしても「賢明」でも無いと思います。一般大衆がもう少し賢明であれば、先の衆議院選挙であれほど自民党が大勝する筈も無いですし、杉村某が国会議員になるような「愚の骨頂」に辿り着くことは無かった筈ですから。ベネズエラのチャベス大統領やロシアのプーチン首相を選出したのは一体誰なんだ、ということです。

ちなみに、個人的にはチャベスやプーチンは好きです。もちろん、彼らの治世下で暮らしたいか、というのは別問題ですが。

塵も積もれば……

民主主義は、一見極めて公正な政治プロセスに思えますが、ポピュリズムの悪弊から逃れることができないという点で、重大な問題も抱えているように思います。賢明とは言えない庶民を「コロっ」と欺したところで、一票は一票です。塵も積もればゴミ……じゃないや、山となります。

うん、何だか民主主義を全否定するような論調になっちゃってますが、全否定はしないです。全肯定もしませんけどね。

三権分立ではまだ足りない

私は、財政の健全化と社会保障の向上を目的とするのであれば、消費税が 10% や 20% になっても構わないと考えているのですが、今、こんなことを言う輩に投票する人は殆どいないでしょう。それでありながら「弱者の救済」であったり「社会保障の充実」をちゃっかりと求めるのが庶民というものです。こういったこと(あ、消費税率アップとかね)を断行するためには、安定した政治基盤と人気が不可欠なわけで、そう考えると「二大政党制」というのは不利なんですけどね。あれ、困ったな。

リベラルだけども国益重視で、私利私欲に走らず、地球規模の中長期的なビジョンとリーダーシップを兼ね備えた政治家グループは存在しないものでしょうかねぇ。ああ、もちろんボリシェヴィキは勘弁ですからね(笑)。

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