2010年2月14日日曜日

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雪上の事故の話

 


四人目の犠牲者

リュージュ競技のグルジア代表としてバンクーバーに派遣されていた、ノダル・クマリタシビリNodar Kumaritashvili)選手が、公式練習中の事故で亡くなった……というのはさすがにショックな出来事でした。ただ、聞くところによれば、冬季オリンピックで命を落としたアスリートは彼で 4 人目とのことで、直近では 1992 年のアルベールビル五輪でも痛ましい事故があったそうで。

三人目の犠牲者の話

1992 年に亡くなったのは、Nicolas Bochatay という、スイス人のスピードスキーの選手だったそうです。スピードスキーはこの年のオリンピックで「参考競技」として実施されましたが、この事故もあってか、その後、正式種目としては採用されていないようです。

1992 年の事故ということもあり、Wikipedia にも記事は立っていなかったようですが、クマリタシビリの事故を受けて、急遽スタブ記事が用意されたようです。ESPN の記事をソースとしていることもあり、本文だけスペルが Nicholas になっていたりしますが、他のソースを当たる限り、フランス系の Nicolas というスペルが正しそうです。

今回事故を起こしたリュージュは、一般的には最高 130 km/h 程度で、今回のコースはやや高速なため 150 km/h は出るのではないか、そしてそれは危険ではないのか、という話があったそうですが、スピードスキーは生身の人間が 200 km/h を超えるという「とんでもない競技」だったとかで。亡くなったボシャテ選手は、練習中に雪上車と衝突したのが原因だったとのこと。

スピードスキーは、ひたすら直滑降で滑り降りてスピードを競うだけ、という競技だったようです。そりゃあスピードも出ますよね。

一人目と二人目の犠牲者の話

ちなみに、それ以前の 2 例は、いずれも 1964 年のインスブルック五輪での出来事だったそうです。一人はオーストラリア人ダウンヒラー(アルペンスキー)の Ross Milne で、練習中にコースアウトして木に激突したのが原因だったとか。もう一人はポーランド生まれのイギリス人 Kazimierz Kay-Skrzypecki で、奇しくもインスブルックで初めて正式種目として採用されたリュージュの練習中に亡くなっています。

アルペンスキーにおける事故の話

私は、アルペンスキー、中でもダウンヒル競技が大好きなのですが、ダウンヒルもコースによっては 150 km/h 以上出ることがあります(例えば、オーストリーのキッツビューエルとか)。そのキッツビューエル(ハーネンカム)と肩を並べる難コースがスイスのウェンゲン(ラウバーホルン)ですが、ここでは 1991 年に Gernot Reinstadler が亡くなっています。

かつてアルペンスキー界のスーパーヒーローだったアルベルト・トンバ(イタリア)は、回転(スラローム)と大回転(ジャイアントスラローム)で「最強」の名を恣(ほしいまま)にしました。ただ、種目別のタイトルは取れても、シーズン総合のタイトルはなかなか手に届きませんでした。理由は簡単で、彼は高速系の滑降(ダウンヒル)とスーパー G(スーパー大回転)には滅多に出ようとしなかったから、でした。特に、滑降には絶対出なかったと記憶しているのですが、その理由が「Mamma に止められているから」だという、ウソのようなホントのような話を聞いた憶えがあります。

その後は、1994 年にガルミッシュのレース中に Ulrike Maier が亡くなったり、2001 年には Regine Cavagnoud がピッツタルでのトレーニング中にドイツチームのコーチと衝突して亡くなったりする事故がありました。男子でも、カヴァニューが亡くなった直後の 2001 年 12 月に、かの Silvano Beltrametti がヴァルディゼールでコースアウトし、下半身不随の大怪我をしたことがありましたが、幸い一命は取り留めました。こうやって事故の例を並べてみると、やはり高速系競技は危険と隣り合わせなんだな、と改めて考えさせられます。

でも、やっぱダウンヒルを見たい!

夏のオリンピックなんかだと、マラソンとかの長距離系で、心臓に負担がかかって死に至らしめるようなケースが(稀に)あるかと思いますが、ウィンタースポーツはなまじスピードが出るだけに、夏のオリンピックには無い危険が伴います。でも、だからといってダウンヒルが無くなったりするのはとても悲しいので、万全の安全対策を行った上で、いいレースを期待したいですね……。

そういった話だと、スキークロス、あれはちょいと危険な気がします……。

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