2010年3月28日日曜日

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ポピュリズムと衆愚政治

 


医師の過剰は社会主義の勝利である(←

ベネズエラのウゴ・チャベス大統領は、一貫して「反米」を主張し、己の意に沿わぬ相手には歯に衣着せぬ暴言を投げつけるという、いかにも「困ったちゃん」な人物なのですが、では、なぜそんなチャベスが大統領を務めているのでしょうか?

結論は簡単で、「国民の多数に支持されているから」、だと考えられます。平たく言えば「選挙に勝ったから」ですね。では、なぜチャベスは選挙で支持を得ることができたのか。これは、おそらく以下のような考え方が、貧困層の支持を得たからと考えられます。

貧困層のための無料診療制度をととのえ、キューバから2万人の医師・歯科医師の派遣を受けたり、農場主の土地を収用して農民に分配するなどの農地改革や、為替管理や統制価格の導入、石油公団 (PDVSA) への統制強化など、反米・社会主義路線を明確にした。
(Wikipedia 日本語版「ウゴ・チャベス」より引用)

「キューバから2万人の医師・歯科医師の派遣を──」というくだりを見て、「キューバってそんなに歯科医師が多いのか」などと妙な感想を抱いたりもするわけですが、それはさておき。

多数派を取り込むのがベストな選択肢

このチャベスのやり方は、普通選挙による民主主義を取っている国においては、とてもうまいやり方です。というのも、自由意志による投票ができる場合は、富裕層・中間層・貧困層のいずれかを絶対的に取り込むことができれば勝利は堅くなります。ごく一部の特殊な国(モナコなど)を除けば、富裕層が最大数である場合は殆ど無く、殆どの国では「貧困層」が数の上では最大です。ですから、貧困層を取り込んでしまえば選挙に勝てる、ということになります。

ポピュリズムと衆愚政治

このような、民衆(その多くは貧困層)の熱狂的な支持をベースに政治を行うチャベスの姿勢は、ポピュリズムを具現化したものと捉えられます。

特徴
ポピュリストは、既存の政治エリート外から現れることが多い。選挙戦においては、大衆迎合的なスローガンを掲げ、政党、労組等既存組織を利用せず大衆運動の形を採る。ここでは、しばしばマスコミを通じた大がかりな選挙キャンペーンが打たれる。
(Wikipedia 日本語版「ポピュリズム」より引用)

はい、勘の良い方なら「もしかして日本の某元首相も?」とお気づきかも知れません。続けましょう。

ひとたび政権に就くと、ポピュリストは所謂分かり易い「敵」として既得権益への攻撃(民営化、大企業の解体、規制緩和、減税、外国資本の排除、資産家に対する所得税率の上昇、反エリート・官僚キャンペーンなど)を行う。
(Wikipedia 日本語版「ポピュリズム」より引用)

あははは(笑)。もうお気づきですね。「既得権益への攻撃」、これは例えば郵政省だったり日本道路公団だったりするわけです。

経済政策に関しては、近年は南米の諸政権の様に「大きな政府」路線、財政肥大化を伴う労働者層への政治的・経済的厚遇(平均賃金の上昇、年金政策の強化、医療・福祉の充実など)を行うなど、左派的な側面の強い政策を行うものが代表的なものとして知られる。
(Wikipedia 日本語版「ポピュリズム」より引用)

ここは、チャベスについては正しいですね。というよりもむしろ、チャベスの存在を念頭に置いて記述しているように思えます。日本の某元首相の場合は全く逆を行ったわけですが……

逆に、ポピュリズム的な既得権益を攻撃するスローガンを掲げつつ新自由主義的な改革を推進することもある。
(Wikipedia 日本語版「ポピュリズム」より引用)

ちゃんとこのようにフォローされています。

答え合わせ

では、答え合わせです。

ポピュリズムの要素を持つとされる政権・政党
メキシコ:制度的革命党(ラサロ・カルデナス)
キューバ:カストロ政権 - ポピュリズム的政権から社会主義体制に移行
ボリビア:モラレス政権
ペルー:フジモリ政権
コロンビア:アルバロ・ウリベ政権
ベラルーシ:ルカシェンコ政権
アメリカ合衆国:ビル・クリントン政権、バラク・オバマ政権
日本:小泉純一郎政権、鳩山由紀夫政権
韓国:盧武鉉政権
ロシア:プーチン政権
タイ:タクシン政権
イラン:アフマディネジャド政権
(Wikipedia 日本語版「ポピュリズム」より引用)

「小泉政権」は紛うことなくポピュリスト政権だったと思うのですが、「鳩山政権」は選出の過程こそ類似性があれど、ポピュリズムと言うにはちょっとどうかな、と思います(実際、支持率も下がっていますし)。まだバラク・オバマのほうがポピュリストっぽいかな、と思うのですが、いかがでしょうか。

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