2010年10月2日土曜日

次の投稿 › ‹  前の投稿

アイヌ語地名の傾向と対策 (8) 「帯広」

 


懐かしの企画が帰って参りました(←)。まだまだネタはたんまりとあるので、皆様ご覚悟のほどを……。



帯広(おびひろ)

ルビを打つのもどうかと思うのですが、一応……。言わずと知れた、十勝地方の中心都市で、2007 年までは Rally Japan のホームタウンでもありました(翌年から札幌に移動)。

この、Rally Japan が帯広から札幌に移ったのも裏では色々と駆け引きがあったそうでして……。Rally Japan のメインスポンサーが「十勝毎日新聞」だったこともあり、札幌をベースとする「北海道新聞」が、十勝地方でのラリー開催に対するネガティブキャンペーンを張ったことも一因ではないか、なんて話を耳にしたこともあります。「道新」と「勝毎」の場外バトルはラリーだけに留まらず、勝毎系の「函館新聞」が 1997 年に創刊される際にも「度を超えた嫌がらせ」を行ったそうで。

十勝地方は道内各所と比べて独立独歩志向が強いらしく、「十勝モンロー主義」なんて言い方をされる場合もあるようなのですが、その排他的かつ好戦的な気風は他の地方のアイヌからも嘲りの対象となったらしく、「『トカㇷ゚チ』? ああ、あれは『幽霊』って意味だよ」なんて言ったのが、そのまま永田方正の「北海道蝦夷語地名解」に書かれていたりするようです。十勝と他の地方の反目?は、意外と昔から綿々と続いている、のかも知れません。

十勝……じゃなくて帯広っ

あ、帯広の話でした(←)。角川地名大辞典によると「地名はアイヌ語のオペリペリケプ(川口が幾筋にも裂けている川の意)に由来する(北海道地名誌)」とあります。山田秀三さんは、「北海道駅名の起源」(昭和 29 年版)の「o-per-per-ke-p で『陰部・いくつにも裂けている・者』」という解釈を追認していたようです。

「アイヌの考え方では、川は生物であるから、生殖行為も営む」というのは知里真志保さんが好んで使った考え方ですが、そのあたりを端的に示した文を、名著「アイヌ語入門」(自称わりと感じのいい,たのしい本」として有名)から引用してみます。

 川はまた,生物であるから,生殖行為もいとなむ。それで,二つの川が合流しているのを「ウと゚マㇺ・ペッ」(u-tu'mam-pet「お互いを・抱いている・川」「抱きあっている川」)とか,「オうコッナィ」(o-u'-kot-nay「陰部を・おたがい・につけている・川」「交尾している川」)とかいって,各地にその地名があるのである。
(知里真志保「アイヌ語入門 復刻─とくに地名研究者のために」北海道出版企画センター p.41-42 より引用)

この辺の考え方は「興部」(オホーツク沿岸の町)の地名解で知ったのですが、最初はやっぱりビビりましたね、ええ。

帯広川 << 十勝川

ちなみに、「帯広川」というと、「帯広」という都市の規模から考えても、結構な大河であるかのような想像をしてしまいますが、改めて地図で見てみると……意外とちんまりとした川です。このあたりでは「十勝川」が最大の川で、それに注ぐ「札内川」や「音更川」もそれなりの規模の川なのですが、「帯広川」は、比べものにならないくらい小さな川だったりします。

前の記事次の記事

www.bojan.net
Copyright © 1995- Bojan International

0 件のコメント:

最近の記事

    スポンサーリンク