2010年11月17日水曜日

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アイヌ語地名の傾向と対策 (27) 「真駒内・手稲・張碓・小樽」

 


相変わらず選択基準が良く分からない組み合わせですが、ついにあと 4 つ、です。巻き入れて行きますよー!


真駒内(まこまない)

言わずと知れた地下鉄南北線の終点で、「真駒内川」が流れるところですが、実はせたな町(旧・北檜山町)にも「真駒内川」があるのだとか。せたな町には「真駒内ダム」もあります。

さて「真駒内」の意味ですが、mak-oma-nai で「山奥・に入っていく・川」となりそうです。……おおっ、すっきりくっきり!

手稲(ていね)

もともとは teyne-nitat と呼ばれていたのだそうです。意味は「濡れている・湿地」なのだとか。ダブルでジメジメといった感じでしょうか。札幌はあまり「海沿いの街」という感じはしないですが、手稲のあたりは結構石狩湾(日本海)に近かったりします。なにしろお隣は小樽ですからね。……おお、今日はサクサク進みますね! 何故だ?(←

張碓(はりうす)

とうとう小樽市域に入りました。ここ「張碓」は、かつて JR 函館本線に存在した「張碓駅」でびみょうに有名かも知れません。いわゆる「秘境駅」に分類される駅だったのですが、とうとう廃止されてしまったようです。

もともとは haru-us(i)(ハル・ウㇱ)で「食料・多くあるところ」という意味のようです。なお、山田秀三さんは次のような注釈を残しています。

従来海陸の食料に富むなどと書かれたが,この語形の場合は,おおうばゆり,ぎょうじゃにんにくなどの,植物の食料が生えている沢のことであった。
(山田秀三「北海道の地名」草風館 p.498-499 より引用)

小樽(おたる)

小樽と言えば、日本最強のアルペンスキーヤー・岡部哲也を輩出した街として有名……でもないですか? だとしたらそれはとても残念なことです(←)。当時飛ぶ鳥を落としまくっていた天下のアルベルト・トンバにもっとも近づいた男、だったのでした。これってもの凄いことだったんですよ。

さて「小樽」ですが、これはもともとは「ヲタルナイ」だったそうです。ここまではとりあえず古い時代の資料などで裏付けが取れるのですが、その意味は、となると諸説まちまち、といった印象です。そして更に厄介なのが、「小樽」も「お引っ越し地名」であることです。「小樽内」は、銭函の更に東側、「新川」の河口のあたりの地名だったのだそうです。


ポインタで示したあたりが「小樽内」です。随分と小樽市の中心部から離れていることがお判りになるかと思います。

諸説まちまちオタルナイ

この、諸説まちまちな「小樽」の地名解ですが、山田秀三さんの「北海道の地名」がとても良くまとめてあるので、思いっきり引用させてもらいます。

小樽内の語意ははっきりしない。従来書かれてきたものの中から代表的なものを年代順に並べると次のようになるのであった。
 ① 上原熊次郎地名考は「ヲタルナイ。砂の解ける小川と訳す。此川常に砂の解け流るるゆへ此名ありといふ」と書いた。ota-ru-nai(砂・融ける・川)としたもの。
 ② 松浦武四郎は西蝦夷日誌や郡名建議書で「ヲタルーナイ(砂路沢)」と訳した。書けば上原氏と同じ形だが,ota-ru-nai 「砂浜の・路(の処の)・川」ぐらいな意味で書いたものか。ru を路と読んだのであった。
 ③ 永田地名解(明治)は「オタ・ナイ。砂・川。旧地名解沙路の義とあるは非なり」と書いた。どうしてそう解したかは分からないが,前のころそこの字名は小樽内と書いて,土地の人は「おたね」と呼んでいた。永田氏はそれから ota-nai 説を出したものか。
 ④ 北海道駅名の起源は,昭和25年版から「オタ・オル・ナイ(砂浜の中の川)から転訛したもので,今のオタルナイ川,またはオタナイ川を指し得ているのである」と書いた。
 他地所々に ota-or-pet (砂浜の・処の・川)があるので,この解は興味が持たれる。ただし,ota-or-nai だと,地名として続けて呼べばアイヌ語の発音上オタオンナイとなる。元禄郷帳の昔からのオタルナイを考えると少々考えてみたくなる点がある。
 オタオンナイは母音が一つ略されてオタンナイともなりそうだ(津軽藩主所持の文化7年図は字が読みにくいが「オタンナイ」と見られる)。その音が少しつまるとオタナイとなる。現地の人の「おたね」はそれか?
(山田秀三「北海道の地名」草風館 p.490 より引用)

途中で切っても良かったんですが、むしろ失礼に当たるかと思い、まとめて引用させて貰いました。「で、そーゆーチミはどれだと思うの?」と言う話ですが、(4) の ota-or-nay かな? と思っています。音は一番合っていないんですが、その代わりに意味は一番それっぽいかな、ということで。

ついにゴールっ!

さて、「北海道の旅 2010/春」のルートに沿ってお届けしてきました「アイヌ語地名の傾向と対策」ですが、なんと今回が感動の(←)最終回です。次回からは「北海道・東北の旅 2010/夏」のルートに沿ってお届けする……ような気がします(それって「最終回」じゃない)。ごく一部の方にでも期待してもらえたら……嬉しいのですが(超・弱気)。

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