2011年4月19日火曜日

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第98回「万物は流転し、地名も滑動する」

 


「三航北国日誌」第 98 回です。ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし……です。

外は雨。相変わらず雨

「神威岬」の駐車場を後にして、再び先へと急ぎます。


一瞬、少し空が明るくなったかな? と思わせる瞬間もあったのですが、


基本的にはご覧の通り。この日はほぼ丸一日こんな天気でした。

水準点の謎

さて、積丹町沼前(ぬままえ)というところにやってきました。


相変わらず、山裾がそのまま海に落ち込んでいるような地形です。

駐車場があったので、ちょいと休憩です。


駐車スペースの隣には、なぜか国土地理院の「水準点」が……。その理由は後ほど明らかになります(話題を引っ張ってみるテスト)。


水準点、大切にしたいものです。具体的にどうすればいいのかは良くわかりませんが(←

トイレと石碑と案内板(良くある組み合わせ)

まずはちょいとトイレに……


中の写真はありませんが、そこそこ綺麗だったと記憶しています、はい。ついでに左奥に見えている石碑?もチェック。


「ソーラン節のふる里 積丹」とあります。「積丹」の文字は、整いながらも力強さを感じる達筆ですね……。

周りを見渡してみると、お約束?の観光案内板がありました。


町内にそこそこ名の知れた「岬」が三つもあるというところは、それほど無いような気もします。現在地は積丹町の西端で、積丹トンネルを抜けると神恵内(かもえない)村になります。

地すべり案内板(これは珍しい!?)

そして、もう一つの看板が本日のハイライト(?)。


「沼前地すべり」とあります。日本広しと言えども、地すべりの案内板は割と珍しいと思うので、大々的に?引用してみましょう。

一 地すべりとは
  地すべりとは、山地や丘陵の斜面が比較的広い範囲にわたってすべりだす現象のことです。地すべりにはゆっくりとした滑動が長期間続くものが多く、中には断続的なすべりが数十年にわたるものもあります。『沼前』地すべりは、海岸浸食を起因とし、長期にわたって滑動していましたが地下水位上昇により活発化しました。規模が大きく、全国有数の地すべりといえます。
(北海道開発局 小樽開発建設部による案内板より引用)

この後、「経緯」として、昭和 7 年頃から平成 13 年までの「出来事」が、年表形式で記されています。特筆すべきは昭和 45 年 5 月の項で、「積丹町が住民全員(家屋6戸)の退去命令を発動した」とあります。地すべりが活発化の一途を辿ったことに呼応して、大災害になる前に集落ごと退去させた、ということのようです。

ここの場合、地すべりの原因が「地下水位上昇」にあったということで、表層水があまり地下に染みこまないようにしたところ、地すべり傾向を無事抑えることができているようです。その誇らしい成果もきちんと記してあります。

四 地表面変動量
  対策工が着工される以前の地表面変動量は、年間20~100cmでしたが、平成3年度から着工した対策工事により年間2~3cm程度となり、平成9年度以降の変動はありません。
(北海道開発局 小樽開発建設部による案内板より引用)

地道で適切な対策が、災害を未然に防いだ好例と言えそうですね。つまり、「沼前」は有数の地すべり地帯であったために、わざわざ水準点が設けられた、ということだと理解しました(全然違っていたりして……)。

万物は流転し、地名も滑動する

あと、この看板でちょっぴり面白いのがこちら。


ルビに注目いただきたいのですが、「沼前」と書いて「のなまい」と読ませるようです。確証は持てませんが、おそらく、もともと「のなまい」だったのが、いつしか漢字につられて「ぬままえ」になったのでは、と思わせます。「沼前」では、地形のみならず地名も滑動していたのですねぇ。

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