2011年11月1日火曜日

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隠岐ジオパークの旅 (45) 「ミステリアス・ミズワカス」

 

ミステリアス・ミズワカス

旧・五箇村の「水若酢神社」にやってきました。地図だとこのあたりです。
駐車場に車を停めて、中に入って見ましょう。
「隠岐一宮 水若酢神社」の文字が光ります。
「隠岐一宮」と言うくらいですから、水若酢神社は隠岐でもトップクラスの格式を誇る神社……なのかも知れません。でも、「永遠の樹齢 800 歳」でおなじみの(いつからだ)「八百杉」を擁する「玉若酢命神社」も「大国主命の末裔」が代々宮司を務めてきたという歴史を誇ります。また、この二社と比べると規模は小さいものの、「延喜式」に「名神大」として記載されている「伊勢命神社」も忘れてはなりません。

興味深いことに、「伊勢命神社」「水若酢神社」「玉若酢命神社」の位置は完全な直線上に位置し、しかも、「伊勢命・水若酢」間と「水若酢・玉若酢命」間の距離はちょうど 1:2 の関係にあります……というのは全部デタラメなので信じちゃダメですが、おおよその位置関係は合っています。

ちなみに、「伊勢命神社」は元々あった場所から少し北東に移動した、という伝承があるそうなのですが、そう考えると、元々あった場所は、本当に「水若酢・玉若酢命」を結ぶ直線の延長上に近づきます。まぁ、大和三山と三輪山の関係のような、良くある偶然なんでしょうけどね。

「水若酢」と「伊勢命」の類似性

では、「水若酢神社」についての情報を確認しておきましょう。

水若酢神社(みずわかすじんじゃ)は島根県隠岐郡隠岐の島町郡(こおり)にある神社である。式内社(名神大社)、隠岐国一宮で、社格は旧国幣中社。隠岐の島町と合併以前の五箇村全村の信仰を集めた。
(Wikipedia 日本語版「水若酢神社」より引用)
ふむふむ。水若酢神社も「延喜式」に記載のある「式内社」で、伊勢命神社と同格の「名神大」のようですね。そう考えると、「内宮」と呼ばれた「伊勢命神社」と対を成す存在であるようにも思えますが、かと言って水若酢神社が「外宮」と呼ばれている……といったことは無さそうな雰囲気です。

祭神
水若酢命(みずわかすのみこと)を主祭神とし、中言神(なかことのかみ)、鈴御前(すずごぜん)を配祀するとしているが、その出自などは不明である。
(Wikipedia 日本語版「水若酢神社」より引用)
ふむふむふむ……。「出自が不明」と言うと、「玉若酢命神社」の「玉若酢命」と同じですね。しかも名前も「水若酢」「玉若酢」で類似性がありますし、「水若酢神社」ももともとは「水若酢命神社」だったと言いますから、「若酢」グループか、あるいはチェーン店もしくはフランチャイズ的な関係にあったとも想像できます。

『日本の神々 -神社と聖地- 7 山陰』によれば、玉若酢命は記紀には全く登場しない地方神で、その語義は明らかではないのだと言う。しかし、同書では、島内北西部にある水若酢神社と鎮座地の地理的・歴史的条件が極めて似ていることから、両社祭神に共通する「ワカス」は、この島の開拓に係わる重要な意味を持つ語であったと推測されている。
(Wikipedia 日本語版「玉若酢命神社」より引用)
ということで、「水若酢」と「玉若酢」の関係もただならぬものがありそうです。

「水若酢」と「玉若酢」の類似性

引用部の「地理的条件が極めて似ている」という点が少々気になりますが、気がついた点としては、「玉若酢命神社」の近くには「国府」があったと考えられ、また、「水若酢神社」のあたりの地名が「郡」ということでしょうか。「こう」と「こおり」は語感が似ていますし、どちらも政治的な機能が感じられる……ような気がします(自信なし)。

うーん、もうちょっと日本の古代も勉強しないといけないなぁ……。

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