2013年1月20日日曜日

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アイヌ語地名の傾向と対策 (108) 「芽室・十勝清水・トマム」

 


さぁ、「傾向と対策」も、とうとう日高山脈を越えるところまでやってきました。



芽室(めむろ)

芽室は帯広の西隣の街で、根室本線の駅や道東道の IC などがあります。これは分かりやすい地名ですね。念のため山田秀三さんの「北海道の地名」を見ておきましょう。

永田地名解は「メㇺ・オロ・ペッ mem-oro-pet(泉池より来る川)」と書いた。地名として続けて呼ぶとメモロで,それに芽室と当て字された。メㇺは清水の湧く小池のことであった。
(山田秀三「北海道の地名」草風館 p.313 より引用)

はい。全く異論ありません。mem-oro-pet で「泉・所・川」という意味ですね。おお、すんなり終わった!(←

清水(しみず)

駅名も IC の名前も「十勝清水」ですが、町名は「清水町」です。このような日本語の地名である場合、開拓時の功労者の苗字を取っている場合も少なくないのですが、この「清水」の場合はそうでは無いようです。今回も「北海道の地名」から。

 市街の南のはずれにペケレペッ川が西の山から流れて来ていて佐幌川に注ぐ。語義は(ペ・)ペケレ・ペッ「(pe)peker-pet (水が・)清澄な・川」できれいな水が流れている。清水はその訳名だという。
(山田秀三「北海道の地名」草風館 p.319 より引用)

ふむふむ。地図を見ると確かに日勝峠の近くに「ペケレベツ岳」があります。ちょうど国道 274 号線のあたりがペケレベツ川の水源のようです。

アイヌ語の解釈については異論の余地は無いと思います。peker-pet で「清い・川」でしょうね。



トマム

占冠村にある、有名なスキーリゾート地です。JR の駅と道東道の IC があります。JR の駅は、もともとは「石勝高原」という駅だったのが、いつの間にか「トマム」に改称しました。和名からアイヌ語名に戻った?珍しい例です。

というわけで、意味は明瞭なのですが、折角なので「北海道の地名」から。

 明治の地図には,今の占冠村中央市街の処でソーウㇱペッとトマㇺ川が分かれているように書いた。つまりトマㇺを鵡川源流の名としたのであったが,トマㇺは占冠市街から本流を 7,8 キロ上った辺の地名だったようである。
(山田秀三「北海道の地名」草風館 p.374 より引用)

占冠の中心地から 7~8 km ほど上がったところとすると、今で言う「下トマム」のあたりでしょうか。山田さんがこの文章を記された頃には道東道は存在せず、それどころか石勝線すら開通していなかったでしょうから、当時のトマムは滅多に人の立ち入ることの無い土地だったのでしょう。

アイヌ語トマㇺ(tomam)は湿地,沼沢地の意。
(山田秀三「北海道の地名」草風館 p.374 より引用)

はい。ありがとうございます。その通りですね。tomam で「湿地」、あるいは「泥炭地」といった意味です。高層建築を建てる際にはしっかりとした基礎が必要ですね。


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