2013年6月15日土曜日

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アイヌ語地名の傾向と対策 (115) 「恵庭・漁川・島松」

 


やあ皆さん、アイヌ語の森へ、ようこそ。

(この背景地図等データは、国土地理院の電子国土Webシステムから配信されたものである)

恵庭(えにわ)

千歳の北に位置する町で、道央道の IC がありますね。さて、一体どういう意味でしょうか……。山田秀三さんの「北海道の地名」を見てみましょうか。

永田地名解は「エエニワ。鋭山」と書いた。詳しく書けばエ・エン・イワ(e-en-iwa 頭が・尖っている・山)の意。急傾斜な円錐形の山であるが,特にその山容には巨岩が聳えていて,激しく尖って見える。それでこの称がある。
(山田秀三「北海道の地名」草風館 p.54 より引用)

ふむふむ、なるほど……。e-en-iwa で「頭・尖っている・山」で間違いなさそうです。うーん、これほどスッキリ片づいたのは久しぶりのような……。

ちなみに、支笏湖畔に聳えるこの「恵庭岳」ですが、ほぼ全域が千歳市域に含まれます(笑)。

漁川(いざりがわ)

恵庭岳の麓に端を発して、恵庭市域を西から東に流れる川の名前です。「えっ、これがアイヌ語由来なの?」と思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、いえいえどうして、立派なアイヌ語地名なんですね。

では、今回も「北海道の地名」から。

 恵庭市街の北側を流れている漁川は,千歳川の支流であるが,この辺での大川である。松浦氏西蝦夷日誌は「イザリ。名義,鮭が卵を置との義」と書いた。イチャニ(ichani。ichan の所属形。その鮭産卵場)はイジャニのようにも発音される(アイヌ語では清濁音は区別されない)ので,それが「いざり」となったのであろう。ここは昔の鮭の好漁場であった。
(山田秀三「北海道の地名」草風館 p.52 より引用)

はい。ということで……、「いざり」は ichani で、意味は「鮭・鱒の産卵場」ということですね。この川は漁撈の面で重要な川だったのか、「茂漁(もいざり)川」という支流があって、さらに上流の方には「イチャンコッペ川」や「モイチャン川」もあります。

ただ、「鮭・鱒の産卵場」がある川に「漁川」という字を当てた人も、そのセンスを褒められるべきですよね。音も似ていて意味も通るわけですから、見事というほかありません。

島松(しままつ)

恵庭市北部の地名で、JR 千歳線に同名の駅があります。これは和名かな? と思ったのですが……。今回も「北海道の地名」から。

ここは要地なので多くの旧図類に名が書かれている。多くシママフ,シママッフであるが,松前藩が作った天保の松前島絵図ではシユママツプである。
(山田秀三「北海道の地名」草風館 p.32 より引用)

ということで、随分と昔からある地名のようです。続きを見てみましょう。

 原名はシュマオマㇷ゚(shuma-oma-p)で「石が・ある・もの(川)」の意。母音が二つ続くので,その一つを落としてシュママㇷ゚と呼ばれていたのであろう。
(山田秀三「北海道の地名」草風館 p.32 より引用)

なるほど~。suma-oma-p で「石・多くある・もの」となるわけですね。現在の島松川を見た限りでは、それほど石が沢山あるようには見えませんが、あるいは上流から岩を削り取ってくるような川だったのかも知れません。そう考えてみると、島松川は、道央道の西側では随分と山を削るようなところを流れています。何となく納得がいきますね。

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