2013年6月22日土曜日

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アイヌ語地名の傾向と対策 (117) 「志文・岩見沢・利根別」

 


やあ皆さん、アイヌ語の森へ、ようこそ。

(この背景地図等データは、国土地理院の電子国土Webシステムから配信されたものである)

志文(しぶん)

岩見沢市南部の地名で、JR 室蘭本線の「志文駅」があります。ということなので、今回は「北海道駅名の起源」から。

 志 文(しぶん)
所在地 岩見沢市
開 駅 明治35年8月1日(北海道炭砿鉄道)(客)
起 源 アイヌ語の「シュプン・ペッ」(ウグイのいる川)から出たものである。
(「北海道駅名の起源(昭和48年版)」日本国有鉄道北海道総局 p.76 より引用)

ふむふむ。supun-pet で「ウグイ・川」ということですね。ただ、これだと「いる」という意味が含まれないので、もともとは supun-un-pet だったのかも知れませんね。

岩見沢(いわみざわ)

最近は、すっかり豪雪で有名な街になってしまいましたが、実は札幌から電車で 30 分もかからない所だったりします。さて、その由来ですが……。今回は我らが「角川──」(略──)から見てみましょう。

空知地方の南西部,石狩川左岸の平野部と丘陵部に位置する。
(「角川日本地名大辞典」編纂委員会・編「角川日本地名大辞典 1 北海道(上巻)」角川書店 p.162 より引用)

ふむふむ。江別からは少し離れているのですが、そう言えば岩見沢は空知地方なのでした。

地名の由来は,
(「角川日本地名大辞典」編纂委員会・編「角川日本地名大辞典 1 北海道(上巻)」角川書店 p.162 より引用)

おっ、来ましたね!

開拓使が幌内煤田開採のため道路を開削した際,幾春別川沿いに浴場を設け,開拓使庁技師一行が浴をしたことから浴沢(ゆあみざわ)と呼称されるようになり,のちに岩見沢と転称表記されるようになったという(岩見沢市史)。
(「角川日本地名大辞典」編纂委員会・編「角川日本地名大辞典 1 北海道(上巻)」角川書店 p.162 より引用)

orz。どうやらコテコテの和名由来の地名のようでした。ちなみにロックな地名解がいちぶで話題の(どこで?)更科源蔵さんは、次のように記しています。

 明治十一年に幌内に行く道路を測量した時、それに従事した役人が、ここで湯浴みをしたので「湯浴み沢」といったのを、後に岩見沢という地名に改めたといわれている。
(更科源蔵「更科源蔵アイヌ関係著作集〈6〉アイヌ語地名解」みやま書房 p.106 より引用)

あ、まったく同じことが書かれていますね。続きも見てみましょうか。

しかしあるアイヌの古老の話に、昔札幌付近の酋長琴似又一老にきいた話では、岩見沢より志文よりのところにクト゚サンペッという川があって、その川の名を訳して岩見沢としたのだという。
(更科源蔵「更科源蔵アイヌ関係著作集〈6〉アイヌ語地名解」みやま書房 p.106 より引用)

おっと! 新説が飛び出しました。これはちょっと気になりますね。さらに続きがあります。

しかし昔の地図にそういう名の川は見あたらない。
(更科源蔵「更科源蔵アイヌ関係著作集〈6〉アイヌ語地名解」みやま書房 p.106 より引用)

……。ロックですね。

利根別(とねべつ)川

岩見沢の街の中を流れる川の名前……です。最近川の名前が多いですが、ええ、それはその……(何なんだ)。

ということで、川の名前と来れば山田秀三さんです。「北海道の地名」から。

 岩見沢市街を曲流している幌向川支流。語義不詳。ト・ネ・ペッ(to-ne-pet 沼・のようになっている・川)か。あるいはトゥンニ・ペッ(tunni-pet 柏の木・川)か。
(山田秀三「北海道の地名」草風館 p.43 より引用)

例によって、セカンドオピニオンとして更科源蔵さんの地名解を確認してみたところ、更科さんも to-ne-pet 説のようでした。to-ne-pet で「沼・のような・川」と見るのが自然なのでしょうね。

tunun-pet で「間にある・川」とは考えられないか……とも思ったのですが、あくまで試案です。似たような例も知りませんし……。

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