2014年2月22日土曜日

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アイヌ語地名の傾向と対策 (178) 「江幌・江花・渋毛牛」

 


やあ皆さん、アイヌ語の森へ、ようこそ。

(この背景地図等データは、国土地理院の電子国土Webシステムから配信されたものである)

江幌(えほろ)

上富良野町北西部の地名です。上富良野町は「日の出」といった和名も散見されるのですが、「江幌」はアイヌ語由来の地名っぽいですね。

地形図を見ると、近くに「トラシエホロカンベツ川」があり、またその隣には「江幌完別川」もあります。「エホロカンベツ」が「江幌完別」になったのであれば、なかなか傑作な当て字ですよね。

では、山田秀三さんの「北海道の地名」を見てみましょう。

明治29年5万分図ではエホロカアンペッ。つまりエ・ホロカ・アン・ペッ「e-horka-an-pet 頭(水源)が・後向き・である・川」であったろう。今は当て字されて江幌完別川と書かれる。また地名としては下略して「江幌」で呼ばれている。
(山田秀三「北海道の地名」草風館 p.70 より引用)

はい。e-horka-an-pet で「頭・後戻りする・である・川」ということで良さそうですね。

江花(えはな)

上富良野駅から見て西側にある地名です。ぱっと見た感じでは合成地名っぽく思えたりするのですが、いえいえどうして、近くを「エバナマエホロカンベツ川」が流れていたりします。

「エホロカンベツ」はいいとして、「エバナマ」が良くわかりませんね。というわけで今回も「北海道の地名」から。

原名はエ・パナ・オマ・エホロカンペッ「e-pana-oma-ehorkanpet 頭(水源)が・下流の方・にある(に入っている)・江幌完別川(の支流)」の意。川筋の地名はこれも下略されて「江花」となっている。
(山田秀三「北海道の地名」草風館 p.70 より引用)

ふむふむ。e-pana-oma(e-horka-an-pet) で「頭・川下・そこにある・江幌完別川」ですか。それにしても、この川の名前はかなり苦心の跡が見られます。もともと空知川が南東から北西に流れる川なので、水源部が北西にある江幌完別川は、地図で見ると「U」字状に見えるわけで、それで horka なわけです。

ところが、その江幌完別川の支流である「エバナマエホロカンベツ川」は、上富良野駅のあたりから見て水源部が南西にあるのです。江幌完別川が「U」字状なら、この川は「b」字状になるわけで、horka な川が更に horka になってしまいます。で、「水源が川下を向いている」としたのですが、ある意味とっても正しい地理認識なわけで、面白く感じます。

渋毛牛(しぶけうし)

中富良野駅のちょうど西に位置する地名です。近くを「シブケウシ川」が流れています。

それでは、早速ですが「北海道の地名」から。

明治29年5万分図ではシュプケウシと書かれている。
(山田秀三「北海道の地名」草風館 p.69 より引用)

ふーむ。「シュプケ」あるいは「シブケ」とは一体何だったでしょう……?

shupki-ush-i「葭・群生する・もの(川)」のような名だったのではなかろうか。
(山田秀三「北海道の地名」草風館 p.69 より引用)

あ、なるほど。supki-us-i で「葭・多くある・もの(川)」ですね。……もうお終いですか? ええ。今日はお終いです(汗)。

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