2014年7月26日土曜日

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アイヌ語地名の傾向と対策 (197) 「サヌシュベ川・マツカシマップ川・ソソシ沢川」

 


やあ皆さん、アイヌ語の森へ、ようこそ。

(この背景地図等データは、国土地理院の地理院地図から配信されたものである)

サヌシュベ川

旧・穂別町の北部を流れる川の名前で、穂別川の西支流です。国道 274 号線が川に沿って流れています。サヌシュベ川に架かる国道 274 号線の橋の一つは「佐主橋」と名付けられているため、「佐主○」という字が充てられていた可能性もありそうですが、そのような記録を見つけることはできませんでした。

では、早速ですが山田秀三さんの「北海道の地名」を見てみましょう。

サヌシュベ川
 穂別川上流西側の相当大きい支流であるが,この名の意味もはっきりしない。永田地名解は「サヌシペ san-ush-pe 低き川。宗谷にサンナイあり。同義」と書いたが,このサンには低いという意味はなさそうである。
(山田秀三「北海道の地名」草風館 p.372 より引用)

ふむふむ。続きを見てみましょう。

サンは「浜の方に出る」であるが,川の場合にはラン(下る)とだいたい同じように訳されて来た。
(山田秀三「北海道の地名」草風館 p.372 より引用)

となると、san-us-pe は「下る・いつもする・もの」となりそうですね。あるいは pe ではなく pet で、「下る・いつもする・川」となるのかも知れません。ここで問題となるのが、一体何が「下る」のか、という話なのですが……

 平賀さだも媼は「奥に小沢が一ぱいある。それが一つになって下って来るのだからサヌㇱペッというのだ」と語られた。つまり水が流れ下ると解されたのである。とにかくまだ研究して行きたい地名である。
(山田秀三「北海道の地名」草風館 p.373 より引用)

確かにサヌシュベ川の流域は、川の長さを考えると割と広いほうなので、ひと雨降った後は水が一気に流れ落ちてきそうな印象があります。もしかしたら一気に増水することが多い川……といったニュアンスがあったのかも知れません。

マツカシマップ川

佐主橋の近くでサヌシュベ川と合流する小河川の名前です。残念ながら手持ちの資料には情報が見当たりません。

「マツカシマップ」という音をアイヌ語地名っぽく紐解いていくと……そうですね。mata-kas-oma-p であれば「冬・小屋・そこにある・ところ」となりそうですね。

音からは mat-kachi-oma-p で「女の子・そこにいる・ところ」という解釈も可能ではありますね(地名としての必然性は少々びみょうですが)。残念ながら今のところはこれ以上のヒントを得られそうに無いので、どちらも試案とさせてください。

ソソシ沢川

サヌシュベ川の南側を流れる小河川の名前です。明治期の道庁 20 万図には「ソーサヌシュペ」とあります。これを素直に解釈すると so-san-us-pe となりますね。意味は「滝・下る・いつもする・もの」となりそうです。

この「ソーサヌシュペ」を急言すると「ソソシペ」になりそうな感じもするようなしないような……(どっちだ)。もう一つの可能性としては、so-so-us-nay で「滝・滝・多くある・沢川」という解釈も考えられそうです。

地形図を見た限りでは、顕著な滝の存在は確認できませんが、もしかしたら小規模な滝をいくつも持っている川なのかも知れません。

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