2014年8月16日土曜日

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アイヌ語地名の傾向と対策 (203) 「ペンケオタソイ川・屈足・パンケニコロ川」

 


やあ皆さん、アイヌ語の森へ、ようこそ。

(この背景地図等データは、国土地理院の地理院地図から配信されたものである)

ペンケオタソイ川

オダッシュ山のあたりに源を発し、新得町の市街地を通って佐幌川に合流する河川の名前です。既にネタバレしているという噂もありますが、気にせずに行きましょう!(汗)

では、山田秀三さんの「北海道の地名」を見てみましょう。

読みにくい地名なので日高の萱野茂氏に相談したら,オタスイなら沙流川筋の額平川にもある。ぼろぼろな砂岩にシュイ(スイ。穴)があってその名がついたと語られた。オタソイは,あるいはオタ・スイ(ota-sui 砂・穴)だったのかもしれない。
(山田秀三「北海道の地名」草風館 p.320 より引用)

はい。ペンケオタソイは penke-ota-suy で「川上の・砂・穴」と考えて良さそうですね。川の名前ですから、おそらく語尾に -pet あるいは -nay がついていたことでしょう。

ペンケオタソイ川の隣にはパンケオタソイ川も流れていますが、こちらは「川下の・砂・穴」となりますね。

なお、萱野さんが「沙流川筋の額平川にもある」と語ったのはペンケウタスイ川パンケオタスイ川のことですね。どちらも「ペンケ」(川上の)「パンケ」(川下の)がついているのはおそらく全くの偶然なのでしょうが、双子地名のようで面白いですね。

あと、ペンケオタソイ川の中流部あたりに「広内」(ひろうち)という地名・川名がありますが、これはアイヌ語由来では無い可能性が高そうな感じです。

屈足(くったり)

新得町東部の地名で、同名のダムもあります。ちなみに屈足ダムのダム湖は「くったり湖」と言うのだとか。何故ひらがなにするのでしょうね。読みづらいからか。そうか(ぉぃ

kuttar と言えば「イタドリ」のことなので、大凡の想像はつくのですが、念のため更科源蔵さんの「アイヌ語地名解」を見ておきましょうか。

 屈足(くったり)
 もとは新得町を屈足村と呼んでいたことがある。現在は十勝川に沿った字名。
(更科源蔵「更科源蔵アイヌ関係著作集〈6〉アイヌ語地名解」みやま書房 p.220 より引用)

へぇー。新得村の旧名が屈足村だったのですね。まぁ、「屈足」と「新得」であれば、何となく「新得」のほうが縁起が良さそうな印象もあるので、改称もやむなし……でしょうか。新得には鉄道の駅もできたこともあり、結果的には屈足よりも栄えたので、そう言う意味でも改称は当然の理だったのかも知れません。

さて、地名の由来ですね。続きを見てみましょうか。

地名のもとは十勝川の岸のクッタㇽ・ウㇱというアイヌ地名によったもので、道内に多いおおいたどりの群生しているところの意である。
(更科源蔵「更科源蔵アイヌ関係著作集〈6〉アイヌ語地名解」みやま書房 p.220 より引用)※ 強調部は原著者による

はい。kuttar-us-i で「いたどり・多くある・ところ」だったようです。では次!(ぉ

パンケニコロ川

一粒で二度美味しいシリーズ・第二弾です(いつの間に)。屈足ダムのダム湖「くったり湖」のあたりで十勝川に合流する支流の名前です。「パンケニコロ川」の隣には「ペンケニコロ川」があり、少し上流部で十勝川と合流しています。

では、山田秀三さんの「北海道の地名」から。

ニ・コロ・ペッ(ni-kor-pet 木を・持つ・川)の意であろう。
(山田秀三「北海道の地名」草風館 p.322 より引用)

ふむふむ。panke-ni-kor-pet で「川下の・木・持つ・川」ということですね。

ちなみに、東西蝦夷山川地理取調図には「ハンケニヨロマフ」「ヘンケニヨロマフ」とあるのですが、これは panke-ni-or-oma-p と読めそうです。「川下の・木・ところ・そこにある・もの」となりそうですね。

永田方正の「北海道蝦夷語地名解」に「パンケ ニコロ ペッ」とあるのは、びみょうに呼び方が変わったか、あるいはもともとどちらでも通用していたものを ni-kor-pet に統一したと言ったようなところだったのでしょう。

(この背景地図等データは、国土地理院の地理院地図から配信されたものである)

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