2014年8月31日日曜日

次の投稿 › ‹  前の投稿

アイヌ語地名の傾向と対策 (208) 「サルカニザワ川・信取・様舞」

 


やあ皆さん、アイヌ語の森へ、ようこそ。

(この背景地図等データは、国土地理院の地理院地図から配信されたものである)

サルカニザワ川

音更町東部を流れる長流枝内(おさるしない)川の支流です。何とも面白い名前なので、取りあげてみることにしました。

おそらく、もともとは sarki-an-nay で「芦・ある・沢」だったのではないでしょうか。sarki-ansark-an に音韻変化すると考えられますので、「サルカンナイ」が「サルカニ」になった……ということではないかと思います。

信取(のぶとり)

道東道・池田 IC の近くの地名です。字画からは、あまりアイヌ語由来っぽく無いのですが、実はバリバリのアイヌ語地名なのだとか。

では、更科源蔵さんの「アイヌ語地名解」を見てみましょうか。

 信取(のぶとり)
 池田町の字名。高島市街の川向。
(更科源蔵「更科源蔵アイヌ関係著作集〈6〉アイヌ語地名解」みやま書房 p.236 より引用)

はい。国鉄池北線(→北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線)の高島駅があった「高島」の集落から見て、利別川の向かい側にある集落の名前ですね。

もと高島農場のあと、アイヌ語ヌㇷ゚・ウドㇽ(ママ)のなまったもので、原野の間ということ。
(更科源蔵「更科源蔵アイヌ関係著作集〈6〉アイヌ語地名解」みやま書房 p.236 より引用)

はい。nup-utur で「野原・間」という意味ですね。

様舞(さままい)

池田町中部の地名で、国鉄池北線(→北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線)にも同名の駅がありました。これは……見るからに「アイヌ語地名です!」という感じの字が当てられているので、逆にちょっと不安になる位ですね(なんでだ)。

では、更科さんの「──地名解」から。

 様舞(さままい)
 利別川流域の池田町の字名。この近くの利別川の支流シャモマイという小川がある。シャモマイは和人のいる所のなまったもの。
(更科源蔵「更科源蔵アイヌ関係著作集〈6〉アイヌ語地名解」みやま書房 p.235 より引用)

現在は、地名としては「様舞」で、川の名前は「様見川」になっているようです。なるほど、sam-oma-i で「和人・そこにいる・ところ」のようですね。

明治初年、帯広の晩成社より早く、利別川筋を開拓していたというのはここをさすのであろう。
(更科源蔵「更科源蔵アイヌ関係著作集〈6〉アイヌ語地名解」みやま書房 p.235-236 より引用)

ふむふむ。こういった地名が残るくらいですから、かなり初期の頃の開拓地だったのですね。

山田秀三さんの「北海道の地名」も見ておきましょうか。

シャム・オマ・イ(sham-oma-i 和人・いる・処)の意。永田地名解はこの形で「和人の死処」と書いたが,この言葉にはそんな意味はない。伝説を書いたのであろう。
(山田秀三「北海道の地名」草風館 p.295 より引用)

確かに sam-oma-i に「和人の死処」という意味は無いですが、もしかしたら開拓に来ていた和人が死んだという伝承があったのかも知れないですね。

前の記事次の記事

www.bojan.net
Copyright © 1995- Bojan International

0 件のコメント:

最近の記事

    スポンサーリンク