2014年11月14日金曜日

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道東の旅 2013/春 (125) 「北海道立北方民族博物館」

 


北海道立北方民族博物館の常設展示の話題を続けます。過去 4 回分は以下の通りです。

第121回「古地図を土足で踏んづける!?」
第122回「インターネットで見る蝦夷地の古地図」
第123回「モンゴルと言えばマンモス!(違)」
第124回「北方民族の衣装いろいろ」

交易

このパネルは……北方諸民族の交易の様子を地図に落としたものですね。


そして、その下にあるパネルですが、どっちが海でどっちが陸だろう……としばらく逡巡してしまいました。これは「ハドソン湾」という文字にもあるとおり、カナダの地図だったんですね。

ユーラシア大陸北方の諸民族とアラスカの諸民族の間で古くから交易が行われていたということは、海上の移動手段を有していたということになるのですが、どのような舟が用いられていたが纏められていました。ご存じアイヌは「丸木舟」を使っていましたが、この図では千島のあたりに「板綴舟」も描かれています。

ほかには「白樺樹皮舟」「板舟」「スプルース樹皮舟」「カヤック」「ウミアック」などがリストアップされています。



トナカイ飼育文化

そして、北方における陸上の移動手段と言えば「ソリ」ですが、ソリを引っ張ってくれる動物と言えば犬やトナカイが頭に浮かびます。


これは北極点から見た(と思う)正距方位図法で描かれた図ですが、色が塗られている部分が野生のトナカイの生息範囲のようです(緑が「森林タイプ」、橙が「ツンドラタイプ」とあります。何が違うのかは……良くわかりません(汗))。

ところで、グリーンランドには殆どトナカイが生息していないんですね。ノヴァヤゼムリャはほぼ全域が生息域になっているのに……。

クマ送り

北海道の「北方民族」と言えば「アイヌ」が代表格で、「イオマンテ」というクマ送りの儀式が有名ですが、実はこの「クマ送り」という風習は、北方の諸民族で広く見られるものなのだそうです。


この図を見ると、西(というのも適切な表現では無いのですが)はフィンランドのあたりから、シベリア、アムール川下流域、サハリン、北海道、カムチャツカ、更にはベーリング海峡のあたりやアラスカの太平洋沿岸部、そしてハドソン湾沿岸に至るまで、あちこちで「クマ送り」の風習が記録されているとのこと。さすがにこれほど普遍的なものだとは思っていなかったので、ちょっと衝撃ですね。

オホーツク文化の謎

「オホーツク文化の謎」という展示もありました。オホーツク文化は 3 世紀から 11 世紀頃に栄えた文化ですが、同時期の北海道に存在していた「続縄文文化」や「擦文文化」とは全く別のものだったとされています。


「オホーツク文化」の遺跡として有名なのが、網走市内にある「モヨロ貝塚」ですね。もちろん名前は知っているのですが、残念ながら現地に行ったことはありません。


展示によると、オホーツク文化は 11 世紀頃に北海道から姿を消したとされています。擦文文化の担い手との勢力争いに破れたという見方もありますが、あるいは擦文文化との同化が進んだという表現もできるのかも知れません(これらの考え方は似たようなものであるとも言えそうです)。

まとめ

常設展示をひととおり見てきましたが、「北海道とその周辺の北方民族」にフォーカスした内容ではなく、北半球の北方民族全般を地球規模の視点から描いていたのが実に新鮮でした。今まで気がつかなかった視点に気づかせてくれるという点で、一度見ておく価値はあるんじゃないかなぁ……などと思わせます。また来たいですね!



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