2017年5月27日土曜日

次の投稿 › ‹  前の投稿

アイヌ語地名の傾向と対策 (440) 「雲内・栄石・サキリカンナイ」

 


やあ皆さん、アイヌ語の森へ、ようこそ。

(この背景地図等データは、国土地理院の地理院地図から配信されたものである)

雲内(くもない)

ku-oma-nay
仕掛弓・そこにある・沢


北檜山から国道 229 号で南に向かい、若松トンネルを抜けると太櫓川流域に入ります。国道 229 号は「栄石橋」で太櫓川を渡りますが、このあたりが元々「雲内」と呼ばれていたようです。

現在の地形図を見ると、栄石橋の北側から川沿いに東に向かう道があり、その先の台地状の尾根に「雲内」の文字が見えます。表記上の問題なのか、あるいは地名の移転なのかはちょっと判別ができません。

さて、「雲内」と書いて「くもない」と読ませるらしいのですが、東西蝦夷山川地理取調図を見ると「クーヲマナイ」と記されていました。なるほど、ku-oma-nay で「仕掛弓・そこにある・沢」だったと考えて良さそうです。

「クーヲマナイ」を「くもない」としたのは、なかなかセンスがあって良いなぁと思ってしまいますね。

栄石(さっかいし)

sak-ika-us-i?
夏・溢れる・いつもする・もの


国道 229 号の「栄石橋」の南西に位置する地名です。戦前の地形図にはその存在を確認できますが、それよりも古い記録では存在を確認できませんでした。黒松内町の「先開」や天塩町の「作返」と似た地名ではないかと考えています。

sak-ika-us-i であれば「夏・溢れる・いつもする・もの」となりそうですね。夏になると溢れる河跡湖があったりしたんじゃないかと勝手に想像していたりしますが、どうだったのでしょうか。

サキリカンナイ

sakir-ka-an-nay?
長い棒・の上・そこにある・沢
sak-iruka-an-nay?
夏・ちょっとの間・存在する・沢


せたな町栄石の北、太櫓川の北側に位置する地名です。アイヌ語由来の地名の中でもコテコテのカタカナ地名は排除される方向にあるのが常ですが、ここはずーっと「サキリカンナイ」のままのようですね。ただ、不思議な事に「栄石」と同様に古い記録には名前が見当たりません。

sakir で「魚を干す串」あるいは「長い棒」を意味するようで、sakir-ka-an-nay であれば「長い棒・の上・そこにある・沢」と考えられそうです。地形図を見てみると、ちょっと長い目の尾根が二つあるようで、その間に若干の平地があるように見て取れます。この地形のことを指して sakir-ka-an-nay と呼んだのかな……と考えてみたりもします。

もう一つの考え方は「栄石」からの類推なのですが、sak-iruka-an-nay で「夏・ちょっとの間・存在する・沢」とも考えられるかなぁ、と。個人的にはこの解もなかなか捨てがたく感じているのですが、iruka という語彙を地名で使っていたのを見た記憶が無いのが少々厳しいところで……。

前の記事続きを読む

www.bojan.net
Copyright © 1995- Bojan International

0 件のコメント:

最近の記事