2018年1月15日月曜日

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福塩線各駅停車 (5) 「神辺」

 

横尾を出発すると、列車は再び北東に向きを変えて、山の麓を走ります。

神辺駅(かんなべ──)

4 分ほどで線路が左にカーブするとともに、神辺(かんなべ)に到着です。奥の方に見えている山は「黄葉山」という名前でしょうか。
神辺も交換設備がある駅で、近代的な橋上駅舎が見えてきました。

井原鉄道の終点です

神辺は、第三セクター鉄道である「井原鉄道」の終点でもあります。井原鉄道井原線(ちなみに「いばら」と濁ります)は伯備線の総社と福塩線の神辺を結びますが、一日に三本だけ神辺から福山まで JR に乗り入れています。その貴重な「一日三本」の列車が隣りのホームで出発を待っていました。
福山行きのディーゼルカーの更に隣りの線路には、井原方面に向かうディーゼルカーが停まっていました。井原鉄道専用のホームでしょうか。
府中行き 227M は、7:32 に、定刻通りに神辺を出発しました。井原鉄道専用のホームが見えます(意外と長いんですね)。

失われた 32 年

駅を出発してから高屋川を渡るまでの 1 km ほどは、福塩線の単線と井原鉄道の単線が並行して走ります。
やがて井原線が少しずつ離れてゆき……
鉄建公団によって建設された井原線の高架が見えてきました。神辺から高屋までは、元々は「両備軽便鉄道」の線路として建設されましたが、その後紆余曲折を経て井笠鉄道神辺線となります。
1966 年には「国鉄井原線」の建設が始まり、重複する井笠鉄道神辺線は 1967 年に廃止されます。ところが国鉄再建法の施行に伴い 1980 年に井原線の建設は中止されてしまいます。

建設途中で放棄された線路を活用すべく、1986 年に第三セクターの「井原鉄道」が設立され、1987 年に工事が再開、12 年後の 1999 年にようやく開業しています。国鉄再建に関する混乱に巻き込まれた結果、32 年間も鉄道を失っていたことになるんですね。

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