2014年4月30日水曜日

春の只見線 (14) 「復路編 只見」

只見駅 15 時 42 分発の小出行き普通列車、発車 10 分前となりました。改札が始まり、駅舎とホームの間の扉が開放されました。新雪を踏みしめながらホームに向かいます。
ポイント(転轍機)にはヒーターと思しき装置が。
雪国の鉄路にはこの手の設備が整っているので、多少の雪でもふつーに運行できるのですよね。昔はポイントの近くにカンテラで火を灯したりしたものですが……。

あれっ、カラーリングがっ

小出行きの車両が見えてきました。
記憶の良い方は、「あれっ、往路の車両と違う!」とお思いになるかもしれません。確かに小出を発車したときは……
こんなカラーリングでした。ところが今は……
こんなカラーリングに。このミステリーを解く鍵は一体……

いえ、実はミステリーでもなんでも無くて、答はこういうことなんですけどね。
2 両編成の前と後ろでカラーリングがまったく違った、というだけのオチでした。

只見の春は時間差で

ホームと反対側(進行方向右側、だいたい北側)の座席を確保しました。窓の外はと言うと……
……(汗)。今にも雪に埋もれそうな勢いです。3 月は、暦の上では春ですが、只見の春は時間差でやってくるようです。

雪国恐るべし

小出行きの普通列車が、只見駅を出発しました。この道路標識、もはや息をしていないような感じですね。
そして踏切も……
実は、こういった形で雪に埋もれた踏切の警報器は、只見町内に限らず、新潟県側でも何度も目にしていました。生憎タイミングが合わずカメラに収められずにいたのですが、ようやくシャッターチャンスをものにできました。雪国恐るべし、ですね……。

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2014年4月29日火曜日

春の只見線 (13) 「只見 その3」

次の小出行きが発車するまでは 1 時間ほどあるのですが、駅の外はまさかの大雪。ということで、仕方がないので駅舎の中でのんびりと待つことにしました。

もれなくコシヒカリをプレゼント!

只見町観光まちづくり協会のチラシが置かれていました。「只見線に乗って只見に行こう!」の下に、なんと「500名様に只見産コシヒカリ プレゼント(2合)」とあります。
それでですね、実は……
頂いてしまいました(^_^)。いやー、列車に乗ってきただけでもれなくお米が貰えるというのはビックリですね。

コシヒカリは何日で捌けるのか

ちなみに、このキャンペーンは「先着 500 名」なのですが、だいたい何日で捌ける計算になるかと言うと……

2012年度の1日平均乗車人員は9人。乗車人員を把握できる福島県内の駅の中では、最も少ない駅である。
(Wikipedia 日本語版「只見駅」より引用)
うっひゃあ(汗)。なるほど、一日あたり 9 袋のペースで捌けていくのであれば、計算上は 55 日で捌けることになりますね。このキャンペーンが始まったのが 2013/2/1 でこの日が 2013/3/2 ですから、まだ残っていたと考えても不思議はありません。

ところで、Wikipedia の只見駅の項には、乗車人員推移として次のような表も掲げられています。
(Wikipedia 日本語版「只見駅」より引用)
2009 年と比較して、2012 年の減り方が酷いですね。以前にも少し記しましたが、只見線の只見-会津川口間は 2011 年の水害以来、バス代行が続いているので、その影響もあるのでは……と思わせます。

不通区間の東端にある会津川口駅の利用状況も見ておきましょうか。
(Wikipedia 日本語版「会津川口駅」より引用)
只見駅と比べると、利用者の減り方は緩やかです。2010 年と 2011 年のギャップが大きいのは、前述の水害の影響でしょうか(2011/7/30~12/3 の間、会津川口駅には列車は走っていませんでした。この影響が加味されているのか否かは良くわかりません)。

只見駅のデータは、2010 年と 2011 年の分が欠損しているようなのですが、2009 年と 2012 年の差が「20 人」で、これは会津川口駅における 2009 年と 2012 年の差「19 人」とほぼ一致します。もちろん偶然の一致である可能性も高いのですが、面白い符合ですね。

只見町インフォメーションセンター

さて。小難しい話題はこの辺にして、只見駅に戻りましょう。駅の中は、たくさんのチラシやパンフレット、雑誌などが整頓されています。明らかに人の手がこまめに入っていることが想像できるもので、見ていて嬉しくなりますね。
そして、隣には土産物のお店もあります。
Wikipedia には、次のようにあります。

2008年(平成20年)2月10日に竣工した改築工事では、待合所に只見町インフォメーションセンター(只見町観光まちづくり協会)が併設された。土産品などを扱うほか、夏期はレンタ・サイクル等も扱う。
(Wikipedia 日本語版「只見駅」より引用)
ふむふむ。これが「只見町インフォメーションセンター」なんですね。大きすぎず小さすぎず、とてもいい感じですね。

北国の人の粘り強さの根源を見た(かも)

外は雪が舞っていましたが、駅舎の中はストーブがあって温々でした。
改札の先にはドアがあって、列車が発車する直前まで締め切られています。
そして、そのドアの向こうでは、除雪作業が行われていました。
……ホントに頭が下がりますね。ありがたいことです。

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2014年4月28日月曜日

春の只見線 (12) 「只見 その2」

只見駅のホームから少し歩いて……
只見駅の駅舎に到着です。
それにしても、ホームの場所と駅舎の場所が少し離れているのは何故なんでしょうね。

只見駅発車時刻表

この列車が只見駅に到着したのが 14:36 なのですが、折り返しの小出行きは 15:42 ということで、1 時間と少しの間待つことになりそうですね。

お知らせあれこれ

まずは帰りの切符を購入します。同じルートを戻るだけなので、最初から往復で購入しておいても良かったのですが、少しでも只見駅の売り上げに貢献できる……かも知れないので。
都内までは 6,300 円ですね(現在は値上げされていると思います)。田子倉までは 200 円ですが、「ご注意」のシールが貼られています。
窓口の手前には、代行バスの時刻表が置いてありました。
窓口の横にはこんな告知も。
一応読みやすいように拡大して起きますね。ブレていてすいません……。

町内散策は……断念

折り返し列車の出発は約 1 時間後。町の中を散策するのもいいかな……と思ったのですが、
この天気ではさすがにちょっと。大人しく駅の中で待つことにしましょう。

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2014年4月27日日曜日

春の只見線 (11) 「只見」

2 週間後に廃止されることが決まっていた田子倉駅を通過した普通列車は、田子倉トンネルを抜け、終点の只見駅に向かいます。
田子倉から 7 分ほどで(またか)只見駅に到着です。
なんとなーく、どの駅間も 6~7 分で走るような書き方になってしまっていますが、実は決してそんなことはなくて、大白川と只見の間は 30 分ほどかかっています。小出から大白川までの距離は 26.0 km で、間には 7 駅あるのですが、大白川から只見までの間は 20.8 km もあり、間には廃止された田子倉駅しかありません。田子倉駅が廃止されてしまった今となっては、この区間だけもの凄く駅間が長いことになります。

雪の中の只見駅

さて、只見駅が見えてきました。
外には外套を着た駅員さん?の姿も。
除雪車両は入広瀬駅で見かけましたが、只見駅にもいました。いかにこのあたりが豪雪地帯であるかを物語りますね。
列車が停止したので、下りることとしましょう。

ようこそ只見へ

ようこそ只見へ。一番前のドアから外に出たところ、そこには生憎屋根が無く、ホームには新雪が降り積もっていました。
ホームの反対側にはロータリー式の除雪車両が。
田子倉駅は前述の通り昨年の 3 月で廃止されました。会津蒲生方面は 2011 年の水害以来、鉄道の運行は休止され、代行バスが運行されています。
ホームから待合室までは少し(50 m くらい?)離れているので、雪を踏みしめながら歩いて向かいます。

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2014年4月26日土曜日

春の只見線 (10) 「大白川・田子倉」

小出発只見行きの普通列車が大白川駅を出発しました。
小出を出発してから 50 分近くが経過していたので、乗客の皆さんも少しずつだれてきたようですね(笑)。

雪に埋もれる国道

大白川までは破間川沿いを走ってきましたが、大白川からは支流の末沢川沿いを走ります。国道 252 号線と併走しているのですが、その国道は……
完全に雪に埋もれていました(笑)。もはや笑うしかないですね。この区間は「冬期通行止」とのことで、ゴールデンウィーク明けまで全く使い物にならないようです。これが、只見線が廃止対象から外れている最大の理由です。

只見線の意外な優位性

次々と赤字鉄道路線が廃止されてバスに転換されていますが、転換に当たっては「並行する道路が良く整備されていて、バス転換しても沿線住民が不利益を蒙らないこと」が条件だと言われます。JR 只見線の大白川-只見間は「並行道路が良く整備されている」ものの、冬期は維持が出来ないからダメ、ということなんでしょうね。

厳密には冬期でも除雪をしっかりすれば開通できるのだと思いますが、鉄道を除雪したほうが経済的ということなのでしょうね。それと鉄道はスリップして衝突事故を起こしたり転落したりといったことが殆ど無いので、道路を開通して不特定多数の車両を走らせるよりは格段に安全だとも言えそうです。もちろん、それはそれで不便な部分も多いわけですが……。

まぁ、全国的に道路整備によって失われ続けた鉄道の優位性が、ここでは意外な形で残されている……ということなのでしょうね。いつまでこのパラダイムが続くのか、あるいは永久にこのままなのか、興味深い事例です。

田子倉駅

只見行きの列車は雪深い渓谷を進んでゆきます。
やがて列車は「六十里越トンネル」に入ります。
六十里越トンネルを抜けた直後に田子倉駅(臨)を通過しました。
田子倉駅は、2013 年 3 月 16 日のダイヤ改正で廃止されました。この時はちょうど廃止の 2 週間前だったということになりますね。ただ、廃止以前から冬期は全列車が通過する臨時駅となっていたので、この列車も田子倉駅に停車することは無かったのですが……。

田子倉駅(たごくらえき)は、福島県南会津郡只見町大字田子倉字後山にあった、東日本旅客鉄道(JR東日本)只見線の駅(廃駅)である。
冬季(12 - 3月)は豪雪のため閉鎖されていた臨時駅であったが、2013年3月16日のダイヤ改正で廃止された。
(Wikipedia 日本語版「田子倉駅」より引用)
はい。その通りですね。

駅周辺
田子倉湖畔にあり、周囲数kmには商店はおろか、自動販売機すら存在しない。駅周辺には浅草岳や鬼が面山など、奥只見の山々への登山口が点在するのみで、民家はない。
(Wikipedia 日本語版「田子倉駅」より引用)
そうですねぇ。田子倉ダムのダム湖である「田子倉湖」のほとりにあるのですが、ダムの堰堤とも距離が離れているので、今となっては誰が利用するんだろ? と思わせる立地ではあります。ただ、線路はすぐに田子倉トンネルに入ってしまうので、ここしか駅を作る場所が無かった、ということなのでしょうね。

駅前を通る国道252号は、積雪のためほぼ半年間は不通となり、春先の4月や晩秋の11月などは当駅周辺へのアクセス手段が只見線の列車のみとなっていたが、只見線の列車も冬季は当駅を通過していた。また、停車する列車も1日3往復しかなかった。
(Wikipedia 日本語版「田子倉駅」より引用)
並行道路は冬期間は使い物にならない、という話を書いたところですが、立地が立地だっただけに、冬場も利用客はいなかった、ということですね。

これらの特徴から当駅は、いわゆる秘境駅の一つとされていた。
(Wikipedia 日本語版「田子倉駅」より引用)
うはは(笑)。

もっとも、秋の紅葉シーズンなどは、田子倉湖の紅葉を見ようと、主に新潟方面から多数の観光客が来訪したため、列車内はもちろん、到着時の駅周辺はかなりの混雑を見せていた。往復の列車をうまく組み合わせれば数時間の観光が可能なため、この駅を利用したツアーも企画されていた。
(Wikipedia 日本語版「田子倉駅」より引用)
ふむふむ。こんなニーズがあったんですね。もっとも、秋の紅葉シーズンであればまだ国道 252 号も通ることができるわけで、利便性を考えると車が勝ったということなのでしょうね。

田子倉駅が廃止になるとは聞いていたので、写真にその姿を収めようと思っていたのですが、線路の北側にあるか南側にあるかを事前に調べてなかったので、結果として反対側のシートに陣取ってしまいました(汗)。慌ててカメラを構えた結果がこの写真……です。

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2014年4月25日金曜日

春の只見線 (9) 「入広瀬・柿ノ木・大白川」

除雪車もスタンバイしている入広瀬駅には、とても立派な駅舎があるのですが、これでなんと無人駅なのだとか。
ちなみに、駅舎には「祝只見線小出大白川間開通70周年」とあります。意外と歴史があるんですね……。

入広瀬駅の一日平均乗車人員は、2008 年の調べでは 31 人とのことですが、ホームには車両にカメラを向ける人の姿も。

気合いの入った乗り鉄さん?

続いて 6 分ほどで柿ノ木駅です。
これは発車直後に撮影したと思うのですが、完璧なタイミングで駅名標を捉えた反面、一眼レフを手にした見知らぬ男性の姿も完璧にフレームインしてしまいました(汗)。

この「柿ノ木駅」ですが、この日から 2 週間後に臨時駅に降格し、全ての定期列車が通過するようになってしまいました。もうすぐ停車する定期列車も無くなるので、写真の方はわざわざこの駅で降車されたのかも知れませんね。

国道 252 号線

再び破間(あぶるま)川を渡ります。
国道 252 号線のスノーシェッドが見えてきました。……ガラスについた飛沫にフォーカスが合ってしまってますね(すいません)。この辺は通行可能だったと思いますが、結構道路上にも雪が積もってますね。
二つ目のトンネルに。小出から乗車した人も少しずつ降車して、車内は空席が目立つようになってきました。

嗚呼オートフォーカス

柿ノ木から 7 分ほどで(またかよ)大白川駅に到着です。
うわわわ……。相変わらずピントが悲惨な状態ですね。ちょうど停止位置にあったガイドマップの写真もどうぞ。
……もはや水滴の写真になってしまいましたが、気を取り直してもう一度。
ふぅっ。辛うじて「JR」「ガイドマップ」「大白川駅」の文字を読み取ることができました(笑)。

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