2011年3月24日木曜日

北海道・東北の旅 2010/夏 (82) 「沈み行く『三弦橋』」

「三航北国日誌」第 82 回です。またひとつ、昭和の遺産が失われようとしています……。

インパクト抜群

引き続き、国道 452 号を夕張に向けて進みます。めちゃくちゃマイナーなルートかも知れませんが、道路は良く整備されていて、使えるルートです。

これは、桂沢湖のあたりでショートカットするために掘られたトンネルの入り口ですが、
まるで孔雀のような金属板?が。雪崩防止用の柵なんだと思いますが、インパクトがありますね。

川下に向かって左側

桂沢湖を越えて、幾春別川の左岸(和人基準)に渡ります。
分水嶺のトンネルを抜けると、夕張(大夕張)に入ります。
ここからは、シューパロ川沿いに進みます。

泥まみれの奔流

で、そのシューパロ川ですが……
連日の雨で無残な状態です。下流にシューパロ湖があるとは言え、こんな濁流が流れ落ちていくと想像すると、ちょっとぞっとしますね。

バイパス工事中

やがて、工事中のバイパスとの分岐点にやってきます。
はい、ご存じの方も多いと思いますが、現在のシューパロ湖を形成する「大夕張ダム」の下流すぐのところに、「夕張シューパロダム」が建設中です。このダムが完成すると、現在の「大夕張ダム」そのものが水没するという、何とも凄まじい計画が進んでいます。バイパス道路を工事しているのは、「夕張シューパロダム」によって「シューパロ湖」の水位が今よりも上昇する事への対策です。このあたりからダンプカーが多くなってきたのでした。

最初は、まるで新幹線工事のような印象もありますが、
やがては……うっはー。これだと、今走っているあたりも、やがてダム湖の底に沈むことになりそうですね。

三弦橋時代

こちらは、現在のシューパロ湖にかかる「三弦橋」です。普通のトラス橋は、断面が四角形になっていますが、この「三弦橋」は断面が三角形になっていて、世界的にもとても希少価値の高い設計とされています。
これは、もともとは森林鉄道用の鉄橋として使用されていたものですが、1963 年に森林鉄道が廃止になってからは全く使用されていない……みたいです。そんなわけなので、このまま夕張シューパロダムが完成すると、この世界的にも貴重な「三弦橋」も水没する運命にあるのだとか。

もしかしたらですが、糠平湖の「タウシュベツ川橋梁」みたく、渇水時のみ水面上に姿を現して……という話になるのかも知れませんね。より話題性は高まるかも知れませんが、やっぱり「美しい橋」が水没するのは悲しいです……。

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