2019年8月30日金曜日

夏の焼尻・天売・道北の旅 2015 (91)「『キマロキ』の『ロ』(後)」

「キマロキ編成」の「ロータリー車」の話題をもう少しだけ続けます。保存展示されている「キ 604」は前後の入り口が開放されているので、次は後ろの入り口から中を見てみることにしましょう。

自走できないロータリー車

進行方向に向かって左側、蒸気機関車だと機関士側の場所に、座面だけの椅子が備え付けられていました。左には、まるで蒸気機関車のような「釜」(ボイラー)も見えます。
このロータリー車は自走できませんが、タービンを回すために蒸気機関を搭載しています。「釜」の蓋は「59601」と同様に封印されています。小動物の侵入を防ぐ、などの理由があるのでしょうね。
進行方向に向かって左側から前方を望みます。蒸気機関車のようにボイラーが見えていますが、蒸気機関車とは異なり外に「車体」があります。なぜボイラーを車体で覆ったのか……という話ですが、見た目以外にも理由があったのでしょうか。

実は再利用でした

後位には、蒸気機関を動かす上で必須となる「石炭」と「水」を格納する領域(テンダー車)があります。
車両の真ん中から後方を望みます。蒸気機関車の「炭水車」とは異なり屋根があるのが特徴的ですが……
改めて遠目から眺めてみると、「炭水車」に屋根を付けただけに見えてしまいます。実は本当にそうだったようで、後位の炭水車は蒸気機関車のものを流用した(屋根を付けただけ)そうです。
屋根の向こうには、「キマロキ」の後ろの「キ」である D51 398 の前照灯が見えています。

スノープラウのようなもの

進行方向に向かって右側から前方を望みます。ボイラーを覆う形で車体があるという構造に違いはありません。
後位側の車輪の手前にはスノープラウ(のようなもの)が装着されていて、必要に応じて広げていたようです。
マックレー車が左右の雪を掻き集めて、ロータリー車が集めた雪を吹き飛ばす……というのが「キマロキ編成」の仕組みですが、ロータリー車が飛ばしきれなかった雪を踏んで脱線する……ということを避けるために、残った雪を改めて外に掻き出していたのでしょうね。
「キマロキ編成」の残りの「後ろのキ」については、また日を改めて……。

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