2025年11月19日水曜日

メモリアルシップ八甲田丸 (4) 「筆耕のお仕事?」

メモリアルシップ八甲田丸、まずは 3 階の「遊歩甲板」にやってきました。最初の展示は「青函ワールド」ですが、この展示はお台場の「船の科学館」で係留・展示されていた「羊蹄丸」から引き継いだものとのこと。
展示は ① 写真、② ジオラマ、③ ミニシアターの 3 つに分かれているようです。

【ご注意ください】この記事の内容は、特記のない限りは 2017 年 8 月時点のものです。各種サービスの実施状況や利用時間などが現在と異なる可能性があります。

① 写真

まずは「① 写真」です。団体の見学客の写真かなーなどと呑気に眺めていたのですが、「旅客の避難誘導訓練」や「遭難信号」などと題された、かなりガチなものでした(汗)。

② ジオラマ

続いて「津軽海峡文化コーナー」と題された一角にやってきました。どうやらこれが「② ジオラマ」ということでしょうか(ミニチュアではなく 1:1 サイズのものが多いような気もしますが)。
床には順路がマーキングされています。元々が船なので(今も船ですが)導線を考慮した展示レイアウトにするには限界があるようで、順路を細かく指定することで混乱を最小限にしようとしているようです。

筆耕のお仕事?

昔の国鉄っぽい、白墨で書かれた「時刻表」と「運賃表」が飾られています。ふと思ったんですが、何故「黒地に白字」だったんでしょう。見やすかったからかな? と思ったのですが、あるいは手直しが容易だったからかも?(黒板なら書き放題消し放題ですし)
旅客運賃表です。今のように路線図が描かれているのではなく、路線ごとに駅名が列挙されて「三等」と「二等」の運賃が表示されています。「二等」は「三等」のおよそ 2.4 倍だったみたいですね。
この旅客運賃表はどこの駅のものだったのだろう……という愚問が頭をもたげたのですが、「奥羽本線」の「津軽新城しんじょう」までの運賃が 10 円とあるので、これは青森駅のものですよね。
なおこの区間の運賃ですが、現在は 190 円とのこと。ほぼ 20 倍になったことになりますが、(青森から)函館までは 220 円とあるので、これを 20 倍すると 4,400 円ということになります。

2025 年現在、津軽海峡フェリーで青森から函館まで向かう場合は、大人 1 人で 2,860 円から 3,850 円程度らしいので、ほぼ 20 倍というか、「19 倍」と見ていいのかもしれません。
五能線の運賃も、かなり細かく(ほぼ全駅?)出ています。「驫木」の字が略字になっているのも面白いですね。それはそうと、見事な楷書体ですが、こういったものは筆耕の人のお仕事だったんでしょうか。

財団法人 鉄道弘濟會

「財団法人 鉄道弘濟會」との文字が見えます。かつては Kiosk を経営したり時刻表(「JR時刻表」)を出版したりしていましたが、本来は「鉄道公傷者」を救済するために設立された公益団体です。今にして思えば……ですが、「キヨスクのおばちゃん」には家族を殉職で失った人が少なからずいた、ということになりますね。
ジオラマ……というか、マネキン?には時代背景等を詳細に記した説明がつけられていました。「青函連絡船」が活躍した時代を知る、という趣旨なんでしょうか。

③ ミニシアター

「青函ワールド」の三つ目が「③ ミニシアター」です。
見ての通りで、プロジェクターで映像がスクリーンに投影されています。空撮の映像ですが、これは函館……ですよね?
ちなみにこの写真を補正すると……こうなりました。
ノイスの乗り方が強烈ですが、意外とちゃんと記録できているものなのですね。

GREEN CABIN

船の外周部に面したドアには「グリーン車」のマークが。
これも Photoshop で補正するとこんな感じに。グリーン車のマークの下には「GREEN CABIN」の文字が並びます。本来は「GREEN CAR」の筈ですが、連絡船の「グリーン船室」は「GREEN CABIN」だったみたいですね。
わざわざ「CAR」を「CABIN」に変えるとか芸が細かいなぁ……と思ったりもしますが、「GREEN CAR」なる謎なネーミング自体が海外から来た人にとっては「???」だったような気もします。「等級制」を廃止した時点で「2 等車」あるいは「1 等車」を名乗るわけには行かなかった、ということなんでしょうけど……。

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