2021年12月10日金曜日

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宗谷本線各駅停車 (22) 「豊清水・恩根内」

 

名寄行き 4326D は徐に速度を落とすと、音威子府村と美深町の境界となっている「ペペケナイ川」を渡って美深町内に入りました。出発信号機が見えていますが、豊清水駅に到着したようです。

豊清水駅(W58・2021/3/13 廃止)

豊清水駅は 1 面 2 線 + 引込線という構造で、出発信号機があることもわかるように列車交換可能な構造です。木立の奥に倉庫のような建物が見えていますが、Google マップの航空写真では現存しないようにも見えますね……。
別のアングルから見てみると……うわっ、そういうオチだったとは……。倉庫のような建物が見えていると思っていましたが、2016 年の時点で既に建物としては現存していなかったようです(汗)。
ということで豊清水駅ですが……うわわ、こんなところにディーゼル機関車がっ! 宗谷本線の北旭川(貨物駅)以北では貨物列車は走っていない筈なので、除雪目的か、あるいは保線資材の運搬あたりで使用されるのでしょうか。
この「豊清水駅」は 1946 年に「豊清水仮乗降場」として設置され、1948 年には美深町から敷地の提供を受けて駅舎が建設されます。長年に渡る地元からの請願と駅舎の無償提供もあり、1950 年には駅に昇格を果たします。

この駅の配線は、今風の「1 線スルー」型で、通過列車は大きく速度を落とすこと無く通過できる形になっていました。これまでの駅とは構造が異なるのは何故だろう……と思ったのですが、駅に昇格する際に線増したからとのこと。路線開通時には無かった駅なので、当然といえば当然でした。
ただ、元々駅の周りには民家が少なく、古くは美深と音威子府を結ぶ幹線道路だった駅前の道路も国道 40 号の新道が開通するとともにすっかり寂れてしまいます。豊清水駅の利用も低迷し、2021 年 3 月には駅として廃止されて信号場となってしまいました。
この駅(現在は信号場)も冬季には保線要員が常駐しているとのことですが、駅舎の北側に宿舎らしき建物が見えるので、その建物に人が詰めているのでしょうね。美深ではなく豊清水に拠点を設けているということは、ここから北側が特に積雪が多い、ということなんでしょうか。
待避線の向こう側には引込線がありますが、これは貨物扱いを行っていた頃の名残とのこと。現在も撤去されずに残っているのは、除雪車輌の入線の可能性を残しているから、あたりでしょうか。

恩根内駅(W57)

名寄行き 4326D は豊清水を出発しました。奥の方に雪化粧した山々が見えていますが、小車岳あたりでしょうか……?
列車が再び速度を落とすと、集落が見えてきました。恩根内駅に到着です。
しばらく駅前に人家が少ない(あるいは存在しない)駅が続いていただけに、久しぶりに町中に出た感じがします。電柱が 2 本見えますが、遠いほうの電柱にも駅名標がついているのが面白いですね。
「宗谷本線各駅停車」では「咲来」以来の登場となりますが、「本場の味」はもちろんサッポロビールです。
駅舎は雪下ろしの必要がなさそうな構造となっています(灯油タンクも見えますね)。駅前通りもある本格的な駅です。
国道 40 号からやってきた道道 118 号「美深中川線」が駅前で向きを西に変えていますが、この道道は小車峠のあたりが常時通行止めという残念なことになっています。とは言え、咲来駅・天塩川温泉駅・豊清水駅と比べると現役の道道が通っているというだけで「凄い!」と感じられますが……。

恩根内駅は 1986 年に無人駅となり、駅舎が解体されてダルマ駅舎になったのだそうです。ただ、ダルマ駅舎はあんまりだと思ったのか、1993 年に改めて現在の駅舎が建設されています。
駅前通りを 250 m ほど歩いた先には郵便局もあり、随分と開けた印象のある恩根内駅ですが、ここも利用者僅少のために廃止が取り沙汰されたことがありました。美深町も一旦は廃止を容認したものの、地元からの存続要望を受けて町が駅の維持管理を引き受ける形で存続することになったそうです。

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