2012年12月16日日曜日

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アイヌ語地名の傾向と対策 (98) 「浦雲泊・十町瀬・来止臥」

 


みんな大好き「釧路町のアイヌ語地名」は、まだまだ続くよ!



浦雲泊(ぽんどまり)

読めない……ですよね? 跡永賀の西隣の地名です。

今回も山田秀三さんの「北海道の地名」から。

 跡永賀のすぐ西の海岸部落。街道からここに下る小道の入口に「1 km 浦雲泊」と立て札が掲げてある。土地の人はこれで「ぽんどまり」と平気で読むのだから思わず微笑した。
(山田秀三「北海道の地名」草風館 p.261 より引用)

山田さんの気持ち、とてもわかる気がします(にっこり)。「浦」が「ほ」、「雲」が「うん」で、合わせて「ぽん」なんでしょうね(笑)。「泊」は日本語からの借用語だったかと思います。pon-tomari で「小さな・泊地」という意味で、更科源蔵さんの解釈では「あまり重要でない・泊地」とのことです。確かに、泊地としてはあまり良い地形ではないようにも思えますね。

十町瀬(とまちせ)

浦雲泊の西隣の地名です。「トマ」と言えば「エゾエンゴサク」ですが、果たしてここの場合はどうなのでしょうか。「北海道の地名」を見てみましょう。

──難しい伝承が残されている。東蝦夷日誌は「トマチセ。本名トイマチヌフ。名義,遠くよりトド(海獣)の声を聞と云由」と書いた。トゥイマ・チ・ヌ・ㇷ゚(tuima-chi-nu-p 遠く・我ら・聞く・処)としたものらしい。
(山田秀三「北海道の地名」草風館 p.261 より引用)

これはまた難しい解を……。しかし、別の解もあるようです。

また永田地名解は「トマ・チエ・ヌㇷ゚。延胡索野。エンコソの食料ある原野なり」と書いた。toma-chi-e-nup(えんごさくを・我ら・食う・野)と解したのであった。
(山田秀三「北海道の地名」草風館 p.261 より引用)

やはり「エゾエンゴサク」とも考えられるようですね。トド説も面白いので捨てがたいのですが、ここはやはり実用性重視のアイヌ語地名ということで、toma-chi-e-nup で「エゾエンゴサク・我ら・食べる・野原」かな、と思ったりもします。

来止臥(きとうし)

来止臥は十町瀬から西に少し行ったところの地名です。エゾエンゴサクの次は行者ニンニクの登場です。kito-us-i で「行者ニンニク・多くある・所」という意味ですね。

以上!(ぉ)

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