2007年9月19日水曜日

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「アラル海」の運命は「ソ連」と共に

 


みなさんこんばんは。ひたすら「内陸湖」について語る Blog が、今日もやってまいりました(何

いい加減本題に移らないと、他のネタがつかえて○秘状態になってピンクの小粒が欲しくなるので、さっさと本題に移りませう。

びみょーに地味な内陸湖「アラル海」

カスピ海から東に、経度にして 10 度ほど行ったところに、「アラル海」という内陸湖があるのをご存じでしょうか。大きさは約 67,499 平方キロと言いますから、琵琶湖(約 670 平方キロ)の約 100 倍、北海道(約 83,456 平方キロ)の 8 割程度という、でっかいというか内海と言うか、まぁそんなもんです(まだ拘ってる)。世界で 4 番目に大きな湖として、びみょーに地味なポジションをキープしてきました。

ただ、これは過去(1960 年)の話。2003 年時点では、そもそもひとつだったアラル海は「大アラル海」と「小アラル海」に分割民営化……じゃないや。分割されてしまい、双方を合わせても 17,158 平方キロにしかならないそうなのです。地味な順位をキープしていたはずが、気がつけば世界 17 位に後退。ついにトップシードからも落ちてしまいました(

消えゆく内陸湖「チャド湖」

失われつつある湖としては、アフリカの「チャド湖」が有名です。チャド湖は約 26,000 平方キロの面積を有していたにもかかわらず、今や 1,500 平方キロを割ったと言います。近い将来、確実に干上がると見られています。

チャド湖の場合は、灌漑用に汲み上げられる水が飛躍的に増加したことも縮小の一因とされますが、主因は流域全体の乾燥化傾向にあると考えられます。平たく言えば「砂漠化」というヤツですね。ある意味、地球規模で起こりつつある気候の変化(あえて「異常気象」とは言わない)の影響をモロに受けた、と言えるでしょう。

失敗はみんなスターリンのせいにしよう!

ところが、アラル海の場合は、どうやら人為的に「消失」を余儀なくされたフシがあるようなのです。スターリン時代のソ連において、「灌漑事業」の一貫として、アラル海に流入する大河のひとつである「アムダリア川」の上流部から、トルクメニスタンを経由してカスピ海に注ぎ込む「カラクーム運河」なる、世界最大の運河を建設したことにより、アムダリア川の流量が激減。蒸発量はそのままで、流入量が激減してしまったため、需給のバランスが崩れたアラル湖は、干上がるほかなくなる、という悲惨な事態を招いてしまったそうです。

もちろん、ソ連の科学者の中には、アラル湖が干上がる事態をあらかじめ想定して、警告を発した者もいたそうです。以下 Wikipedia の「アラル海」の記事から引用。

ソ連の科学者の中にはそのような事態を招く事をあらかじめ想定し反対を唱えた者もいないではなかったが「社会主義を妨害するもの」として処分の対象となった。 中央政府は当時このように説明していた。「アラル海で捕れるチョウザメのキャビアがどれほどの利益になろうか。それが社会主義の勝利にどれほど貢献するというのか。それよりも砂漠の地を緑に変え、そこで栽培される綿花がどれだけの利益を生み出すだろう。なるほど、灌漑によってアラル海は干上がるかもしれない。しかし社会主義の勝利のためにはアラル海はむしろ美しく死ぬべきである」と。

さすがはソ連です。いや、皮肉ってるわけじゃないです。真剣に感心しているのですよ。ソ連はかつて、ベーリング海峡を封鎖して、北極海からの流氷を封じ込める計画を考えたこともあったと言います。カムチャツカをやオホーツク海を温暖化させて、肥沃な大地にする、という発想だったそうですが、実現していたら大変な気候変動を招いていたのは間違いないでしょう。少なくとも「流氷観光」ができなくなります(ぅ

ちなみに、このカラクーム運河、1954 年に建設が開始され、1988 年に完成したとか。つまり、建設が開始された頃にはスターリン時代は終焉を迎えていて、完成した頃はソ連自体が終焉を迎えつつあったということになります。何とも皮肉な話ですね。

「アラル海」の運命は「ソ連」と共に

かくして、アラル海を死滅させてまで敢行された、この「灌漑事業」。結果は悲惨なもので、砂漠地域に通された運河は、多くの水が地下に失われ、地下水の水位を上昇させたはいいものの、地中の塩分を地表に噴出させ、結果として農耕不適地を増やしてしまっただけだったとか。アラル海の死と引き替えに行われた「壮大な実験」は、「ソ連」という「壮大な実験国家」の死と同じく、破滅のみをもたらしたのでした。

ただ、人類は「失敗から学ぶ」ことのできる生き物なわけで、こういった「失敗」の事例を数多く提供してくれた「ソ連」という国には、感謝しないといけない点も多々あるかと思います。いや、皮肉じゃなく真剣にそう思ってますよ。

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