2021年12月6日月曜日

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宗谷本線各駅停車 (18) 「筬島」

 

名寄行き 4326D は天塩川沿いを東に向かって進みます。相変わらず結構な水量ですね……。
宗谷本線の線路はひたすら天塩川沿いを進むのですが、ついにあろうことか北に向かい始めました。天塩川が派手に蛇行しているためにこれは仕方ないのですが……。
佐久と筬島おさしまの間で、天塩川は巨大なΩカーブ状の弧を描いています。南岸を通る国道 40 号は高台をショートカットして比較的短距離で通り抜けていますが、北岸を通る宗谷本線は天塩川の巨大Ωカーブに付き合うしかありません。

神路駅(廃止)

意外なことに、巨大なΩカーブの東側(線路と川の間)には平地が広がっています。ここはかつて「神路かみじ」と呼ばれたところで、宗谷本線にも(天塩線として開通した当初から)「神路駅」が存在していました。
神路地区には、1960 年時点で 23 世帯 123 人が暮らしていましたが、天塩川に道路橋が無かったため、鉄道でしか往来ができないという問題がありました。そのため 1963 年に「神路大橋」が建設されたものの、なんとその年の 12 月に倒壊の憂き目に遭ってしまいます。

「神路大橋」の落橋と折からの冷害による不作は住民の失望を呼び、離農が相次いだ結果、数年で集落は無人になってしまい、そこに駅だけが残されました。1977 年に信号場になった後も仮乗降場扱いは継続されたものの、ついに 1985 年に廃止されてしまいます。

宗谷本線には既に廃止された駅がいくつもありますが、やはりこの「神路駅」のインパクトは大きく、どんな所だったのか一度見ておきたい……と思っていたのですが……
こちらの写真、もしかしたらかつての駅舎跡だったりしないでしょうか!?

列車から眺める「北海道命名之地」

「神路駅」跡を過ぎると、再び線路は東に向きを変えて、天塩川沿いを進みます。
天塩川は、神路と筬島の間でも巨大な S 字カーブを描いていて、今度は北北東に向かうことになるのですが……お、アレはっ!
天塩川の S 字カーブの北端のあたりに「北海道命名之地」というスポットがあります。国道 40 号からは少し離れた所ですが、宗谷本線の線路が見える場所でしたので……列車からはこんな風に見えるようです。
宗谷本線は、天塩川の巨大 S 字カーブにお付き合いする形で、筬島駅の手前で巨大な右カーブを描いています。進行方向右側(但し手前に宗谷本線の線路が見えていますが)に建設中の「音威子府バイパス」のトンネルが見えています。

国道 40 号「音威子府バイパス」は天塩川の北側の山々をショートカットしますが、神路駅周辺は通らないため、神路駅周辺の「到達不能」状態は今後もそのままとなる見込みです。
列車が右カーブに差し掛かると、工事中の「音威子府バイパス」は左側の車窓に見えるようになります。

筬島駅(W62)

「筬島駅」の駅舎が見えてきました。「勇知駅」や「問寒別駅」と同じく、リニューアル工事が行われたダルマ駅舎のようです。
筬島駅の南には「筬島大橋」が存在することもあり、駅前には建物の姿が目立ちます。本場の味はやはり「サッポロビール」ですね。
駅舎の手前に見えるのが、かつての駅舎跡でしょうか……?
名寄行き 4326D は 1 分弱の遅れを取り戻し、筬島を定刻で発車しました。次は「音威子府おといねっぷ」です。

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