2015年1月18日日曜日

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函館~根室 各駅停車の旅 (6) 「池田園・流山温泉・銚子口・鹿部・渡島沼尻・渡島砂原」

 

池田園駅(N71)

大沼駅を発車して約 5 分後、池田園駅に到着しました。
昔むかぁし、「大沼電鉄」という私鉄がありました(今から思えば、北海道で初めて電車を走らせたのはこの会社だったかも知れません)。先日の記事でも触れたとおり、函館本線は駒ヶ岳の西側を走っていたため、1929 年に函館本線の大沼公園駅(現在の大沼駅の次の駅)から駒ヶ岳の東側の町・鹿部までの線路が敷設されました。

その後、太平洋戦争末期だった 1945 年、函館本線の砂原支線(途中までルートが並行する)が開通したこともあり、大沼電鉄は不要不急路線として運行休止に追い込まれ、1948 年に区間を短縮して復活したものの、1952 年に全線廃止となったのでした。

その(前フリ長いな)大沼電鉄にも「池田園」という駅がありました。ちなみにかつての大沼電鉄の線路跡の多くは、道道 338 号(大沼公園線)に転用されています。


なお、この「池田園」という駅名ですが、明治期にこのあたりの開拓・公園化に尽力した池田醇という人物の功績を後世に残すために、この駅名にしたのだそうです。

流山温泉駅(N70)

そう言えば、函館本線の駅ナンバリングは「H●●」なんですが、砂原支線は本線では無く傍流のため、何故か「N●●」というナンバリングになっています。「なんで『N』なんだろ……?」という疑問が出てくるのですが、Wikipedia によると「流山温泉駅の『N』」なのだとか。何故に流山温泉駅……?

流山温泉駅は、2002 年に開業した新しい駅で、かつては駅前に新幹線(東北新幹線で使用されていた車両)が保存展示してあることで有名だったそうです。へぇ~と思いながら車窓を見てみると……
何故か車輪がポツンとおかれています。え、まさかこれって……と思ったのですが……

その後、北海道新幹線の札幌延伸が決定し役目を終えたことや、老朽化を理由に2013年(平成25年)6月に解体・撤去された。現在は、同形式の動力車(モーター車)の車輪付きの車軸が一つ残っているのみである。
(Wikipedia 日本語版「流山温泉駅より引用)
ぎゃあああああ……! ま、まるでホラー映画のような展開じゃないですか……!

いや……その……ね……。いや、わかるんですよ? 保存展示って何もしていないようで実はかなり手がかかるのも理解できますよ? だから撤去もやむを得ないと思いますけど、この残し方はいくらなんでも……

これ、新幹線があると信じてわざわざ足を運んだお子さんがいたりしたら、一生もののトラウマになりかねないような気もするんですが……(汗)。どうせ撤去するなら、綺麗さっぱり無くしてしまった方が良かったと思うんですが、どうでしょう?

ちなみに、この「流山温泉駅」、毛筆風の駅名標があります。
……あ、見切れてる上にピントも合ってない……(すいません)。

銚子口駅(N69)

流山温泉駅で「惨劇の現場」を目撃してしまいましたが、気を取り直して次の駅です。
とてもシンプルな駅舎ですね。ちなみにこの駅舎は 1988 年に改築されたものだそうです。
2843D は銚子口駅で 2844D とすれ違います。砂原支線は、本来は上り(南行き)の列車のために建設された路線なので単線ですが、各駅停車に限っては下り(北行き)も走っているので、すれ違いのできる駅が多数存在します。銚子口駅もそんな駅の一つですね。

鹿部駅(N68)

銚子口駅を発車して約 8 分で鹿部駅に到着です。この駅も、今も昔も「鹿部駅」ですが、一時は大沼電鉄の「鹿部温泉駅」と駅名の奪い合いになって、この「鹿部駅」が「鷹待駅」に改称された時期があったのだそうです(1949~1956)。
それはそうと、この赤いトタン屋根がいかにも北海道らしいですね。何らかの効能があったのか、あるいは単に暖色だからかもしれませんが、赤いトタン屋根の駅は道内のあちこちで見かけたような気がします。

ちなみに、「鹿部」(しかべ)はアイヌ語に由来する地名ですが、意味については諸説あるようです。

渡島沼尻駅(N67)

茅部郡森町(旧砂原町)に入りました。ちなみに「森町」は「もりまち」で、「砂原町」は「さわらちょう」と読みます。
耐震補強がなされているようですが、風情のある木造駅舎ですね。Wikipedia の「渡島沼尻駅」によると「かつて、NHKBS1にて放映されたテレビ番組、『にっぽん木造駅舎の旅』にて紹介されたことがある」とのことですが、さもありなんです。

なお、「沼尻」ではなくて「渡島沼尻」となっているのは、既に「沼尻駅」が存在した(複数)からとのことですが、いずれも既に廃止されています。

渡島砂原駅(N66)

渡島沼尻から 7 分ほどで、次の渡島砂原駅に到着です。
ここも立派な赤いトタン屋根の駅舎ですね。
秀逸なのは、改札口の上の部分にだけ、落雪防止のストッパーが備え付けられています。まぁ、通路に雪が落ちてしまっては、駅員さんも余計な仕事が増えてしまうので、当然と言えば当然の措置ですが……。

砂原と森の間には、もともと「渡島海岸鉄道」という私鉄が走っていたのですが、函館本線砂原支線が建設される際に買収されました(大沼電鉄とは違い、完全にルートが重なっていたからでしょうか)。

ただ、函館本線砂原支線に線路が引き継がれたのは尾白内-森の間だけで、砂原と尾白内の間は新線が建設されて、残された区間の殆どが国道 278 号線に転用されています。これは、砂原支線は大沼に向かってゆるやかに高度を上げて行く必要があったためで、渡島砂原駅もかつての砂原駅よりも高い位置に建設されています。

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