2022年11月16日水曜日

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春の道東・船と鉄路とバスの旅 2017 (21) 「複線化!?」

 

夕張 IC で流出して、右折して国道 274 号に入ります。「石炭の歴史村」「マウントレースイ」などへは軒並み 16~18 km ほどの距離が示されていますが、思ったよりも近いですよね()。
【ご注意ください】この記事の内容は、特記のない限りは 2017 年 4 月~ 5 月時点のものです。新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより、各種サービスの実施状況や営業時間などが現在と異なる可能性があります。

曰くありげな空白

夕張 IC のあたりでは川沿いの崖を避けるために東岸に避難していた国道 274 号ですが、この先の「瑞穂橋」を渡って西岸に戻ります。
JR 石勝線は川を渡るのを回避していたのか……と思って地理院地図を眺めてみたところ……

(この背景地図等データは、国土地理院の地理院地図から配信されたものである)
あー。現在は「第一紅葉山トンネル」で抜けている区間が、開通当初は崖の下スレスレを通っていたっぽい感じですね。いかにも落石や雪崩のリスクの多そうな場所なので、国鉄夕張線が「石勝線」になったときにルート変更したんでしょうか。

複線化!?

「第一紅葉山トンネル」というネーミングは、石勝線として新規開業した区間にある「第二──」~「第四──」との共通点があるので、切り替えも石勝線の開業と同時だろう……などと当たりをつけてググってみたところ、「北海道トンネル wiki」の「紅葉山」の項目で次のような文章を見かけました。

夕張の石炭産業は拡大を続け比例して爆増した運炭量を賄うべく、この線は1912(大正元)年から1919(大正8)年にかけて複線化が行われた。紅葉山トンネルのある区間は1915(大正4)8月1日に複線化が完了したが、この時トンネルは廃止され川側に複線の軌道が敷かれた。
ふぁっ!? 夕張線に複線区間があったとは……。いや、北海道の鉄道はそもそも石炭輸送のために建設されたという話もありますし、筑豊本線には複々線区間があったなんて話も聞いたことがあるので、夕張線が複線でも不思議は無いのですが、なんというか……盲点を突かれたような気がします。

しばらくはそのまま複線で使われ続けたが、昭和に入り不況が到来し1932(昭和7)年12月4日ついに単線に戻されてしまった。この時複線時代のルートを踏襲しトンネルは復活させなかった。
(北海道トンネル wiki「紅葉山」より引用)
その後小樽に向かう石炭は後発の「夕張鉄道」がメインルートになったようで、滝ノ上と紅葉山(=現在の「新夕張駅」)の間の複線区間はわずか 17 年でお役御免になったとのこと。単線になっても川沿いの崖下を通るルートを踏襲したようですが……

1981(昭和56)年10月1日に石勝線が開通しこれに伴い紅葉山トンネル周辺の鉄道は第1紅葉山トンネルへと付け替えられた。また道路も川の対岸に移され国道274号となった。
(北海道トンネル wiki「紅葉山」より引用)
へ!? 崖下の狭そうなところで、保津峡のトロッコ列車のように単線が目一杯だったのだろう……と想像していたのですが、複線化にあたり東側に線増し、13 年後に線路が外された旧本線の区間が道路に転用されていたんですね!?

ほぇ~と思いながら地理院地図を眺めてみると、確かにそれらしい道路の跡が確認できました。

(この背景地図等データは、国土地理院の地理院地図から配信されたものである)
現在の新夕張駅周辺は JR 石勝線と国道 274 号、そして道東自動車道が集結する「交通の要衝」っぽい場所ですが、これらのルートが道央と道東を直結するルートとして確立されたのは比較的最近のことで、国道 274 号が夕張川東岸に *移った* のも「石勝樹海ロード」の全通を見据えてのことだった……ということでしょうか。

線路跡を転用したルートは途中にトンネルがあり片側交互通行を強いられた筈なので、これでは道央と道東を結ぶ「大動脈」とはなり得ないですからね。対岸に移った新ルートは「国道 274 号」として建設されたものっぽいので、なるほど、色々と「ゆとり」が感じられる訳です。

紅葉山

紅葉山もみじやまには道の駅「夕張メロード」があるんですね。ん、もしかして「メロン」と「ロード」をかけ合わせたネーミング……?
紅葉山の市街地にやってきました。2011 年に道東道が延伸してからは車の数も随分と減ったと思われますが、1990 年に「石勝樹海ロード」が開通してからの 20 年間は結構な数の車が通行していたのでしょうね。
ENEOS のガソリンスタンドの先の交叉点を左折したところに道の駅「夕張メロード」があるようです。国道沿いではないので妙な立地だなぁ……と思ったのですが、紅葉山駅の跡地っぽい感じですね。
紅葉山駅は石勝線が開通した際に「新夕張駅」に改称した……という認識だったのですが、実際には紅葉山駅の北隣に移転していた、と捉えたほうが良さそうでしょうか。駅名こそ「新夕張」になりましたが、「紅葉山」の地名は健在です。

落橋のため

電光掲示板には「(274)日勝峠 落橋のため 通 行 止」と表示されていて、その横に青看板があります。左折すると芦別に向かう国道 452 号です。
ちなみにこの時の「落橋」は 2016 年 9 月の水害によるもので、完全復旧に 1 年以上を要したとか。日勝峠は最近も土砂崩れで通行止めになっていたりするので、先行きがちょっと心配になりますね。

国道 452 号で北へ

セイコマの角を左折して国道 452 号に入ります。セイコマと ENEOS の間で国鉄夕張線「登川支線」が横断していた筈なのですが(立体交叉っぽい)、それらしき痕跡には気が付かず……。
国道 452 号を北に向かいます。芦別まで 96 km ということは 2 時間弱ですね。
石勝線の高架下を通過します。以前(2008 年)ここを通過中に特急「おおぞら」が通過したのですが、今回は残念ながら特急とは巡り会えず。

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