2011年2月2日水曜日

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北海道・東北の旅 2010/夏 (47) 「オキクルミさんがマルチタレントな件」

 

「三航北国日誌」第 47 回です。本日は、苔の生すまで最後までお付き合いください(←

黄門さまは実はインドア派(←

「義経北行説」の補強材料として高名な、アイヌの神「オキクルミ」についての話題を続けます。現代においてもお茶の間で変わらぬ人気を誇る「水戸黄門」こと水戸光圀も、「義経北行説」の有力な?論者だったらしいのですが、

水戸光圀は義経北行説の立証に熱心だったようで、『大日本史』編纂事業では、その一環として調査団を組織し海風丸を蝦夷地探検と義経北行伝説の真偽を確かめるため派遣している。海風丸は、蝦夷地に義経・弁慶にちなんだ地名があること、義経がアイヌの人達からオキクルミ(狩猟や農耕をアイヌの人に教えた神)として崇められていることを報告している。
(Wikipedia 日本語版「義経=ジンギスカン説」より引用)
という成果?を遺しているようです。

オキクルミさんがマルチタレントな件

……どうにもこの「オキクルミ」という「神」については、実体が今ひとつはっきりしません。もう少し掘り下げてみましょうか。

アイヌラックルは、アイヌ民話における神。地上で誕生した初めての神であり、地上と人間の平和を守る神とされる。オイナカムイオキクルミなどの別名でも伝えられている。
(Wikipedia 日本語版「アイヌラックル」より引用)※「オキクルミ」の項目は「アイヌラックル」に転送されています
これまた話がザ・ワイドになってきました。生物や植物、海や山にも「神」が宿るとアイヌは考えたそうですが、アイヌラックルは「ヒト型の神」で、謂わば「現人神」とも言える存在だったようです。アイヌの世界における「現人神」は「アイヌラックル(オキクルミ)」だけではなく、昨日の記事にも出てきた「サマユンクル」や「シュプンラムカ」も「神」だとされているようです。従いまして、「アイヌラックル」は「現人神」ではありますが、「唯一神」では無いということになります。つまり、又吉イヱs(ry

神の手

……気を取り直して続けましょう。

伝承
アイヌの神話や伝説は、口承で伝えられてきたため、伝承地や伝承者によってさまざまな差異があり、このアイヌラックル(オキクルミ)の伝説に関しても、定説というものは存在しない。
(Wikipedia 日本語版「アイヌラックル」より引用)※「オキクルミ」の項目は「アイヌラックル」に転送されています
どうにもまとまりがないと思ったら、やはりと言うべきか、こういったオチだったようですね。Wikipedia では釧路のエカシ(老師)が語った伝承が紹介されていますが、これはまるで「神の子誕生譚のような内容です。アイヌラックルは長じてアルゼンチン代表の一員となってワールドカップで疑惑のゴールを上げた……といった話ではもちろんありませんので念のため。

そして「義経神社」ふたたび

というわけで、そんなアイヌラックル(オキクルミ)伝説にインスパイアされたと思われる「義経神社」の話題です(←
本殿は、決してむちゃくちゃ大きいわけではありませんが、荘厳で重厚な佇まいです。

「初午祭」の由来を記した案内板もあります。
これは……何だったでしょうか。「常盤御前」(義経の生母)と「静御前」(義経の恋人?)の紹介……でしょうか。「義経神社」の祭神はあくまで「義経」であり、オキクルミ(アイヌラックル)ではないので注意が必要です。

巌は硫黄ではない

さざれ石」は岐阜県の天然記念物らしいのですが、こんなところにも。
ちゃんと、苔むしていますね♪

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