2023年3月14日火曜日

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石北本線ほぼ各駅停車 (6) 「美幌」

 

美幌町に入りました。女満別からずーっと続いていた防雪林(防風林?)がようやく姿を消し、畑が見えるようになりましたね。

【ご注意ください】この記事の内容は、特記のない限りは 2017 年 4 月~ 5 月時点のものです。新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより、各種サービスの実施状況や利用時間などが現在と異なる可能性があります。

美幌川を渡ります。川……なんですが、氾濫原に白樺が植えられているのは面白いですよね(一直線に並んでいるので、人為的に植樹したと思うのですが)。

美幌駅(A65)

やや離れたところに線路が見えてきました。どうやら保線車輌の車庫らしき場所に繋がっているようです。
それにしても、本線との間に妙な距離があるというか、本線から離れる方向に側線が伸びているのが気になります。美幌からはかつて国鉄相生線が分岐していましたが、相生線は南に向かって分岐していたので、これは相生線とは関係ないんですよね。

ということで地理院地図を見てみたところ……

(この背景地図等データは、国土地理院の地理院地図から配信されたものである)
ああ、やはり専用線の跡か……と思ったのですが、良く見るとこの側線と専用線は位置が異なっています。もしかして……ですが、転車台を設けるために本線から離れた方向に線路を伸ばしていた……とかでしょうか。

駅の北側には、専用線の主でもあった「日本甜菜製糖 美幌製糖所」の建物が見えます。美幌の市街地は美幌川と網走川の間に形成されているのですが、線路の南側が住宅地と商業地で、線路の北側(比較的狭い)に日本甜菜製糖の工場が立地しています。線路が街の南北を分断するのは良くある話ですが、美幌の場合は線路によって綺麗に土地利用が分化しているのが面白いですね。

側線は撤去済み

跨線橋はホームの網走方に設けられています。2 面 3 線の国鉄型配線……かと思ったのですが、それだと駅舎側の 1 番線に入るのがセオリーですよね。良く見るとかつて 1 番線は既に撤去済みだったようで、現在は 1 面 2 線の島式ホームのようです。
日本甜菜製糖の専用線があった頃は貨物用の側線も複数存在したようですが、今は全て線路が剥がされてしまっています。写真からは、側線は少なくとも 3 本あったように見えますが……。

到着を待つ人たち

北見行き 4656D は「本場の味」の目の前で停車しました。
ホームでは、結構な数のお客さんが 4656D の到着を待っていました。4656D は美幌を 9:17 に出発して、終点の北見には 9:49 に到着するので、ちょうど大学の 2 限に間に合いそうな感じもするのですが……(5/2 は平日なので、大学で授業があっても不思議ではないので)。
美幌駅のホーム上屋は廃レールなどを組み合わせた鉄骨ベースのもののようです。屋根の部分は石膏ボードのようにも見えますが、Wikipedia によると 1953 年に「町内大火により駅舎を半焼」とあるので、難燃性には気を配った……ということでしょうか。

網走川を渡る

北見行き 4656D は定刻通りに美幌を出発しました。ここは日本甜菜製糖の野球場の端のはずですが、これは納屋……でしょうか?
網走川が見えてきました。
網走川を渡ります。めちゃくちゃ狭い河道に目一杯水が流れているように見えますが、実は左右に広い氾濫原(高水敷)があるんですよね。

消えた南回りルート

ここからは、網走川水系と常呂川水系の間の分水嶺を越えることになります。分水嶺の標高は 80 m ほどで大したことは無いのですが、美幌駅の標高が 12 m ほどであることを考えると、……なんか馬鹿にはできない気が急に……。
ちょっと面白いのは、石北本線がほぼベストなルートをトレースしているのに対し、並行する国道 39 号は北回りのルートを取っているところです。見たところ距離はそれほど変わらないように見えますし、最高地点の標高は 138 m ほどあるようで、何一つメリットが無さそうに思えます。

なんでこんなルートになったんだ……と思って陸軍図を見てみたところ、陸軍図には線路にほぼ沿う形で幹線道路が描かれていました。現在はかなりの区間が廃道に近い状態のようですが、当時のルート上に踏切が残っていました。


この道路は、途中で何度か線路を横断するルートだったようで、道路を拡幅・整備する上で障害となるため、北回りの新ルートに乗り換えた……ということでしょうか。

(この背景地図等データは、国土地理院の地理院地図から配信されたものである)
1980 年代の土地利用図を見ると、当時は美幌から緋牛内に通り抜けることが可能だったように見えます。ただ現在は西側の踏切(立体交叉かも)が見当たらないため、通行は不可能になった……と思われます。

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