2018年3月31日土曜日

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アイヌ語地名の傾向と対策 (521) 「メップ川・トプシナイ川・ペケンナイ川」

 

やあ皆さん、アイヌ語の森へ、ようこそ。

(この背景地図等データは、国土地理院の地理院地図から配信されたものである)

メップ川

mem-pet??
泉池・川
net-pet???
漂木・川


JR 室蘭本線の竹浦駅の西側を流れる川の名前です。同名の川が今金にもありますね。

伝統と信頼の永田地名解には次のように記されていました。

Hushko mep  フシュコ メㇷ゚  ?
Ashiri mep   アシリ メㇷ゚   ?
永田方正北海道蝦夷語地名解」国書刊行会 p.206-207 より引用)

ありがとうございました(お約束)。

このメップ川ですが、「東西蝦夷山川地理取調図」には「メツフ」と記されています。また「初航蝦夷日誌」には次のように記されています。

子ツフ メツフとも云。夷人小屋壱軒有。少し行而凡十丁。此間フシコベツと云字有
松浦武四郎・著 吉田武三・校註「三航蝦夷日誌 上巻」吉川弘文館 p.289 より引用)

今金の「メップ川」は、実は mem で「泉池」ではないか、なんて話がありました。あるいは白老の「メップ川」も mem-pet で「泉池・川」あたりなのかもしれません。

また、「初航蝦夷日誌」には「ネップ」ではないか、という記録もありました。この場合、黒松内町の「熱郛」に近い感じで net-pet で「漂木・川」と考えることも可能かもしれません。

トプシナイ川

top-us-nay
竹・多くある・川


敷生川の西支流に「飛生川」がありますが、飛生川に合流する支流のひとつに「トプシナイ川」があります(ほかに説明のしようが無く……すいません)。

JR 室蘭本線の「竹浦」駅は、元々は川の名前を同じく「敷生」という駅名でした。例の「ごろが悪い」という謎な理由(お察しください)で「竹浦」に改称することになったのですが、「竹」の字を含めた理由は「背後の山から竹を多く産するので」とされています。

とてもわざとらしい前振りは以上です。「トプシナイ川」は、top-us-nay で「竹・多くある・川」だと考えて良さそうです。

ペケンナイ川

peken-nay
清冽な・川


敷生川の西支流に「飛生川」がありますが、飛生川に合流する支流のひとつに「ペケンナイ川」があります(色々とすいません)。

白老町と登別市の境界を流れる「ポンアヨロ川」という川があるのですが、その支流に「トプシナイ」と「ペケンナイ」がある(あった?)のだそうです。偶然の一致かもしれないですが、何か妙な感じもしますね(地図の見間違いだったりしたら目も当てられないなぁ、などと)。

「ペケンナイ」は peker(清冽)な nay(川)なのですが、r は後ろの n に引きずられて n に音韻変化します。peken-nay で「清冽な・川」という意味になりますね。

地図を良く見てみると、飛生川やトプシナイ川は山奥から流れているのに対し、ペケンナイ川は台地の端あたりが水源になっています。つまり、伏流水が水源ということになるので、確かに「清冽な水」が流れていると考えられそうですね。

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