2022年1月4日火曜日

次の投稿 › ‹  前の投稿

宗谷本線各駅停車 (38) 「蘭留・北比布」

 

旭川行き 328D は塩狩峠を越えて下り勾配に差し掛かりました。標高 255 m ほどの塩狩峠から標高 184 m ほどの蘭留駅まで、右に左にカーブして距離を稼ぎながら駆け下ります。
気がつけば、あと 5 分で 18 時になろうとしていました。5 月なので比較的日は長いとは言え、日の出の早い北海道なので、日没まであまり余裕は無さそうな感じでしょうか。
標高 339 m の「蘭留山」の麓をぐるっと回りながら坂を下ります。このあたりは比布町の中では比較的涼しい所だからか、牧草地が広がっています。
宗谷本線・国道 40 号・道央道はいずれも塩狩峠を経由するのですが、この三者はほぼ同一地点で立体交叉しています。宗谷本線が一番下を通っているのですが、北海道の郊外でこの三者が一同に会するというのは割と珍しいのでは……。

蘭留駅(W36)

安全側線と本線が見えてきました。ということは 328D は待避線に入ったということになりますね。間もなく蘭留駅に到着です。
蘭留駅は 1 面 2 線の列車交換可能な構造で、塩狩駅と同じく構内踏切の手前にホームがある「千鳥式ホーム」です(他に保線車両用の引込線があるようです)。塩狩駅と違う点としては、駅舎が待避線側にあるため、待避線が 1 番線となっているところでしょうか。

ということで 1 番線側の「本場の味」を撮影しようと試みたのですが……タイミングが一瞬早すぎたようです。
この蘭留駅は塩狩峠の南麓の駅ということになりますが、蒸気機関車で峠越えをしていた時代はここで補助機関車(補機)の増解結を行っていたとのこと。駅の南側には転車台もあったそうですが、現在は転車台の跡地の上を「旭川紋別自動車道」が通っているみたいです。
1 番線側の「本場の味」の撮影には見事に失敗しましたが、2 番線(本線)側の「本場の味」を無事確保できました。
折角なのでトリミングしたものも。
このあたりの駅舎は JR 北海道が発足した直後(バブル経済真っ盛りの頃)に改築したケースが続いていますが、蘭留駅の駅舎も 1988 年に改築されたものとのこと。
蘭留駅の 2016 年時点の一日平均乗車人員は 10 名以下で、「極端にご利用の少ない駅」にもノミネートされてしまっていますが、駅の維持管理を比布町が引き継ぐ形で存続を勝ち取ったようです。
いつものことながらブレブレでしたね。すいません……。

北比布駅(W35・2021/3/13 廃止)

旭川行き 328D は蘭留駅を出発しました。左側の車窓には雪を戴いた大雪山の姿が!
蘭留駅を出発してから 3 分ほどで、北比布駅に到着です。和寒駅と塩狩駅の間が 7.9 km ほどあり、塩狩駅と蘭留駅の間も 5.6 km ほどありましたが、蘭留駅と北比布駅の間は 2.6 km しかありません。
北比布駅は 1955 年に仮乗降場として開設され、1959 年には早くも駅に昇格していました。ホームはおなじみのウッドデッキ構造で、有効長は 1 両分しか無かったとのこと。ディーゼルカーの導入に伴って開設されたものと思われますが、当時から単行が前提だったのですね。
比布町には道央道の「比布大雪 PA」がありますが、PA 名からもわかるように、平野の向こうに大雪山を一望できる素晴らしいロケーションの町です。もちろん北比布駅からもこんな風に!
大雪山を一望できる北比布駅でしたが、2016 年時点の一日平均乗車人員は「1 名以下」まで落ち込んでしまい、「極端にご利用の少ない駅」としてノミネートされてしまいます(宗谷本線では「1 名以下」の駅は 17 駅がリストアップされていますが、その中ではもっとも南に位置していました)。
比布町では町内の 4 駅のうち 3 駅の廃止を打診されたことになり、蘭留駅を町の維持管理とすることで存続させるのが精一杯……だったのかもしれません。北比布駅は 2014 年?に待合所を改築したばかりだったようですが、残念ながら 2021 年 3 月で廃止されてしまいました。

前の記事続きを読む

www.bojan.net
Copyright © 1995- Bojan International

0 件のコメント:

新着記事