(この背景地図等データは、国土地理院の地理院地図から配信されたものである)
オバウス沢川
o-pa-us-nay?
河口・川下・つけている・川
河口・川下・つけている・川
(? = 旧地図等に記載あり、独自説、類型あり)
(この背景地図等データは、国土地理院の地理院地図から配信されたものである)
厚真町字宇隆の東で「ウクル川」に合流する支流です。川の北には「姨失」四等三角点があり(標高 157.7 m)、川の南東には「姨失山」一等三角点がありますが(標高 252.0 m)、現在はどちらも「成果不良点」のため「点の記」を確認することができません。『北海道実測切図』(1895 頃) には「オパウシナイ」という名前の川が描かれていました。
戊午日誌 (1859-1863) 「安都摩日誌」には次のように記されていました。
また少し上り
ヲハユシナイ
左りの方小川。本名はヲハウシチエホツナイと云よし。是魚を取り腸を切、此処の小屋に干置し処、煤にて黒く成りしと云儀なるとかや。
(松浦武四郎・著 秋葉実・解読『戊午東西蝦夷山川地理取調日誌 中』北海道出版企画センター p.467 より引用)
『地名アイヌ語小辞典』(1956) には「消炭」を意味する pas という語が立項されていますが、この「消炭」というのは「燃えかす」なのだそうです。魚なのか、それとも魚の腸なのかは不明ですが、小屋(の中)に干していたところ煤で黒くなった……というのは pas からの連想なのでしょうね。いかにも「取ってつけた感」のする地名解です。素直に解釈すると o-pa-us-nay で「河口・川下・つけている・川」となりますが、「オバウス沢川」の下流部は比較的開けた地形で、川は谷の北西端(ウクル川の川下側)を通っています。このことを指して「河口が川下にある川」と呼んだのではないでしょうか。
姨失山(うばうし──)
o-pa-us-nay?
河口・川下・つけている・川
河口・川下・つけている・川
(? = 旧地図等に記載あり、独自説、類型あり)
(この背景地図等データは、国土地理院の地理院地図から配信されたものである)
「オバウス沢川」の南東、「石油沢川」の北西に聳える山にはいくつかの山頂があり、そのうちのひとつが「「姨失山」の周辺には他にも三つの山頂があり、400 m ほど東にある山頂のほうが標高が高そうなのですが、なぜ現在の地点に三角点が存在するのかは不明です。
この山名は「オパウシナイ」(=オバウス沢川)に由来するもので、o-pa-us-nay で「河口・川下・つけている・川」だと考えられます。「姨失山」は「うばうし──」と読ませますが、もしかしたら元は「おばうしない──」だった可能性もあるかもしれませんね。
ケイナイ沢川
kene(-us)-i??
ハンノキ・多くある・もの(川)
ハンノキ・多くある・もの(川)
(?? = 旧地図等で未確認、既存説に疑問あり、類型あり)
(この背景地図等データは、国土地理院の地理院地図から配信されたものである)
「「ケイナイ」=「ケ子イ」?
普通に考えればお手上げなのですが、戊午日誌 (1859-1863) 「安都摩日誌」には「ウクル」の支流として「ケ子イ」という川が記されていました。先少し上りて右の方
ケ子イ
本名ケ子ウシのよし。此処平地にて赤楊多きよりして号しとかや。
(松浦武四郎・著 秋葉実・解読『戊午東西蝦夷山川地理取調日誌 中』北海道出版企画センター p.466-467 より引用)
「ケ子イ」が「ケイナイ」に化けたと考えられるかもしれません。「ケ子イ」もやや謎ですが kene-o-i で「ハンノキ・多くある・もの(川)」とかでしょうか。もっとも、この考え方にも問題は山積みで、なぜ kene-us-i で「ハンノキ・多くある・もの(川)」 ではなく kene-o-i なのか……という点にまず大きな疑問があります。
そもそも kene-o-i という想定が筋違いで、kene-us-i の -us が省略されたと見るべきなのでしょうか。地名で -us が抜け落ちるのは良くあることとは言え、kene-us-i の -us が落ちるというのは記憶にないですが……。
実は位置もおかしい
さらに致命的な問題として、松浦武四郎は「ケ子イ」を「ウクル」の「先少し上りてところが現在の「ケイナイ沢川」は「ウクル川」の
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